近況愚写録 

緑の森の、森の緑。
(2008年10月3日)

いつも通っているトドマツの森の一角に、
なぜか理由は分からないけど、
一面びっしり緑に覆われている場所がある。

ここです。
(このリンクのいちばん下の写真)

トドマツの根本はもちろん、大きな石の上まで、
京都のお寺さんの庭のような、心癒される緑色。
そりゃあ、きれいなのさ。

パッと見、緑。
でも、よくよく見ると、
オオスギゴケやホソバミズゴゲなど各種コケ類や、
マンネンスギやエゾヒカゲカズラなど各種シダ類など、
いろいろな植物が生えているから、
緑は緑でもさまざまな緑があり、見飽きることがない。

ぼくがここへ通ういちばんの理由は、
コケやシダがつくりだす日本庭園的風景を見るためではない。

そう、もちろん、きのこや粘菌に会うためさ(笑)。


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オオスギゴケにはい上がった粘菌。
残念ながら、この段階では、名前は、分かりません。


kabentake

オオスギゴケやトウゲシバの緑の間に、
顔を出しはじめた、カベンタケ。


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オオウスムラサキフウセンタケ。


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2001年に新種として発表された、
ミヤマタマゴタケ。
阿寒の森では普通に見られる。


(撮影データ=4枚=D300/60mm/JPG)
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 近況愚写録 

紅葉よりも、きのこ・粘菌。
(2008年10月1日)

オンネトーの紅葉は、
例年より、1週間から10日ほど遅れている感じで、
見ごろになるまでは、あと1週間くらいかかりそう。

夏が寒く、秋が暑かったりと、
ずっと、天候不順というか異常気象だったので、
色づきも、あまり期待しない方がいいかも。

とはいえ、ここ数日、
ヤマブドウやナナカマドが急激に赤くなりはじめ、
場所によっては、まあ、きれいに見えるところもある。

ぼくは、相変わらず、
花より団子、紅葉よりきのこ、ってなもんで、
だんだんきれいになりつつある紅葉を尻目に、
森の中で四つんばいになって、
きのこや粘菌を探しているのであった(笑)。

キャンプ場や遊歩道脇で、
多少人目を気にしつつ、粘菌を探していると、

「何をやっているんですか」
と、声をかけられたりするのだが、

「粘菌を探しているんです」
などと答えようものなら、

「ねんきん?ねんきんって何です?お金?」
てな具合に、会話が長引くおそれがあるので、
(粘菌を知らない人に粘菌を説明するのは面倒くさいしょ)

「コンタクトを落としまして」
と、答えることを思いつき、実行している(笑)。

うそつき!!


ちなみに、
10月1日現在、雌阿寒岳は、
数日前に火山性地震が多数観測された影響で、
火口周辺警報が発令されており、
7合目より上に立ち入ることができません。
(まだ、小噴火する可能性があるとか)
登山を予定している方は、ご注意を。


お知らせ

東京・代々木にある、
フリュウ・ギャラリーで行われる、
「秋のきのこ祭り展(10月3日〜15日)」へ写真を出展します。

お近くにお住まいの方は、ぜひ、お出かけください。


shimo

ここにきて、急激に色づいているが、
オンネトーの紅葉の見ごろはまだまだ。


onsen

どどどん、と、モエギビョウタケ。


akangawa

またまた、キュートなタマゴタケ。


akangawa

地衣類のヤグラゴケを包囲する、
粘菌のムラサキホコリ(多分)。


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地衣類のコナアカミゴケ。


noboriryutake

アイ、ラブ、ユー。


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マツの森にぽっかり空いた空間。
菌類、地衣類、苔類、シダ類がいっぱいで嬉しくなる(笑)。


(撮影データ=7枚=D300/60mm/RAWからJPGに変換)
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 近況愚写録 

初霜が降りた朝。
(2008年9月29日)

急激に気温が下がりつつある、阿寒。
もう、ほぼ毎日、最低気温は、氷点下だ。

この寒さが「きのこ大爆発」につながればいいなあ、
と、思っているのだけど、そこは、自然相手なので、
なかなか、希望通りにはいかない。

それでも、やはり、
きのこや粘菌が気になるので、
(もう、ほとんど、病気だ!)
毎日、早起きして、森へ出かける。

まあ、日課の散歩みたいなものですな。


ちなみに、東京・代々木にある、
フリュウ・ギャラリーで行われる、
「秋のきのこ祭り展(10月3日〜15日)」
へ出品する作品のプリントがようやく出来上がった。

プリントにして見たら見たで、
まだ、いろいろ、不満はあるのだけど、
いま現在の自分の実力だから仕方ない、と諦めて、
本日、東京へ向けて、送りだす予定。

お近くにお住まいの方は、ぜひ、お出かけください。


shimo

枯れたフキの葉に、霜が降りた。


onsen

川のもやではなく、川沿いから吹き出している温泉の湯煙なのだ。


akangawa

阿寒川に朝日が射し込む。


akangawa

阿寒川に朝日が射し込む、その2。


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テングタケ。


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アシボソノボリリュウ。


mukitake

ムキタケ。


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ハチノスケホコリ。

それにしても、すげえ団体だ。
ちなみに、
ハチノ、スケホコリ、や、
ハチノスケ、ホコリ、ではなく、
ハチノス、ケホコリ、と区切るのが正しい(笑)。


(撮影データ=8枚=D300/60mm/JPG)
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 近況愚写録 

秋色の朝。
(2008年9月24日)

小夏日和、とでも言いたくなるような、
暑い暑い1週間が終わり、朝夕、ようやく、
寒く感じられるようになってきた。

いよいよ、きのこの季節だ。

しかし、残念ながら、
しばらく雨が降っていないので、
森の中は、からからに乾いていて、
顔を出しはじめているきのこも、
今ひとつ、元気がない感じ。

この週末は、久しぶりに、雨の予報なので、
(とはいえ、天気予報は全然当たらないけど)
雨上がりのきのこ大爆発に期待したい。


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朝日が射し込みはじめた阿寒川。


budoufuusenhokori

すごくキュート(笑)な、タマゴタケの幼菌。


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粘菌のサビムラサキホコリと、
冬虫夏草のサビイロクビオレタケ。


budoufuusenhokori

アクイロヌメリタケ。


budoufuusenhokori

落ち葉の上を進む、クサムラサキホコリ。


budoufuusenhokori

虫カビにやられたスズメバチ。

ちなみに、先日、ぼくは、
きのこの撮影中、モンスズメバチに手を刺され、
(刺されたのは、多分、通算、3回目)
全身浮腫、胸の狭窄感、吐き気など、
いわゆる「中程度」のアレルギー反応が出てしまい、
病院へ行って点滴を受けるハメになったのだった。
個人的に、強く、強く、
虫カビに、チュッギュッ、したい(笑)。


(撮影データ=6枚=D300/60mm/JPG)
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 近況愚写録 

ブドウフウセンホコリ
(2008年9月21日)

粘菌(変形菌)は、
変形しつつ移動する動物的性質を持つ「変形体」、
動かずに胞子を形成する植物(菌類)的性質を持つ「子実体」、
という性質を合わせ持っている。

「変形体」のときには、
主にバクテリアなどの微生物を食べているのだが、
きのこ=菌類=微生物ということで、
きのこを食べる粘菌も存在する。

その代表格が、ブドウフウセンホコリである。
(旧称、その名も、キノコナカセホコリ!)

ナメコの栽培農家が「被害」にあう例もあるというが、
確かに、すげえ食いっぷり?だもんなあ……。

まあ、以下の写真を、とくとご覧あれ。

きゃお!

budoufuusenhokori

ブナハリタケの群落を発見。


budoufuusenhokori

後日訪れると、なんと、ブナハリタケは、
ブドウフウセンホコリの襲撃にあっていたのだった!
そ、それにしても、凄まじい!!


budoufuusenhokori

別のブナハリタケを探してか、
びよよ〜ん、にゅるにゅる〜、とさらに移動している。


budoufuusenhokori

ちょっと、アップで。


budoufuusenhokori

食われて、腐ってしまったブナハリタケからは、
ものすごい悪臭が漂ってくるのだった。


budoufuusenhokori

胞子になったブドウフウセンホコリ。


budoufuusenhokori

アップで。


(撮影データ=7枚=D300/60mm/JPG)
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 近況愚写録 

日本一早い、大雪山の紅葉。
(2008年9月18日)

お仕事で、大雪山方面へ行ってきました。

今年の大雪山方面の気候は、阿寒と一緒で、
夏が来たのか来ないのか分からないような日々がずっと続き、
そのまま9月の声を聞いて秋に突入!と思いきや、
ここ数日は、妙に暖かくて(と、いうか、暑い)、
まるで夏のような状態になっちゃってるとか。

もちろん、紅葉は、足踏み状態。
早々に色づいた赤系の葉っぱは、
茶色に変色しつつあるような……。

とはいえ、そこは、広い広い大雪山。
きっとどこかで、きれいな紅葉と出合えるはず(笑)。

ちなみに。
黒岳の紅葉は7合目くらいまで下りてきてます。
高原温泉沼めぐりの紅葉は上の方で半分くらい、
(あと1週間くらいで見ごろ、という状態かなあ)
銀泉台の紅葉は、まさに今が見頃、という感じでした。

それにしても、
高原温泉沼めぐりルートと、
銀泉台の第一花園ルートでは、
ガイドに先導された、ひとグループ20人前後の団体客が、
狭い山道を、だらだらだらだら、がやがやがやがや、
何団体も歩いているのでありました。

普通、狭い山道では、登り下りに関係なく、
団体が少人数の客に道を譲るのが常識だけど、
この日に出会った団体を率いていたガイドの多くは、
前から人が来ようが、後ろが詰まろうが、
別に気にすることもなく、
道を空けるように指示することもなく、
堂々とふてぶてしく、闊歩、闊歩。

ガイドの質が著しく低い、ということですな。

日本一早い紅葉は確かに美しかったけど、
紅葉シーズン真っ盛りの人気スポットには、
仕事じゃなければあんまり行きたくないなあ、と、
改めて実感しました。


注意
大雪山方面では、秋の紅葉シーズンにおける、
マイカー通行規制が行われています。

2008年秋は、
銀泉台方面が、9月12日〜23日、
高原温泉方面が、9月20日〜28日の間、
国道273号から分岐する林道には入れません。
(規制期間中はシャトルバスが運行されます)

まあ、詳しくは、自分で調べてください(笑)。


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大雪高原沼めぐり


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大雪高原沼めぐり


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大雪高原沼めぐり


daisetsukougennuma

銀泉台(第一花園付近)


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銀泉台(第一花園付近)


ginsendai

銀泉台(第一花園付近)


(撮影データ=6枚=D300/28〜105mm/JPG)
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 近況愚写録 

相変わらず、きのこ、粘菌。
(2008年9月12日)


近くの森へ行く。

つい先日まで、
ナラタケが生えていた苔むした倒木で、
スミスムラサキホコリ(たぶん)を見つけた!

こういう「お宝」を見つけたときに限って、
何やかや仕事が入っていたりするので、
心ゆくまでじっくり見ていることができない。

かといって、誰も行かないような場所だけど、
カメラを自動撮影モードにして置いていくのも心配。

結局、早朝に見つけたのに、
次に訪れることができたのは、
午後遅くなってからだった。
う〜む。

スミスくんは、ご覧のように、
見事に「変身」していたのだった。
粘菌って、やっぱり、面白い!

ここ数日、夏よりも暑い陽気なので、
きのこの生育に影響が出ている感じ。

夏は夏らしく、秋は秋らしくあってほしいなあ。
(関係ないけど、今年のとうきびは全然おいしくない)


ちなみに、粘菌の大きさがよく分からない、
というご意見をいただきました。

スミスムラサキホコリは1.5センチくらい。
ホソエノヌカホコリは2ミリくらいで、
ウツボホコリは3ミリくらい。
(だから、探すのは、けっこう大変なのさ)

ご参考までに。


usutake

スミスムラサキホコリ


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スミスムラサキホコリ(胞子)


chahoukitakemodoki

ホソエノヌカホコリ


sabiirokubioretake

ウツボホコリ


bunashimeji

ベニテングタケ


bunaharitake

シロホウライタケ


benigengutake

タマゴタケ


(撮影データ=7枚=D300/60mm/JPG)
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