戸蔦別川遡行 幌尻岳登山
(幌尻岳標高2052m)


いつかは、幌尻。

じじばば百名山ピークハンターじゃないけど、
アイヌ語で「大きい山」を意味する、
日高山脈最高峰・幌尻岳は、憧れの山だった。

で、今年、2006年夏。
超絶神域雨男ことカメラマンのしもべくんが、
「お・し・ご・と」として、幌尻岳登山を持ちかけてきた。
こちらとしては、断る理由はないので、即決。
お盆過ぎの、8月21日から2泊3日の予定で登ることにした。

幌尻岳は、深田セレクション百名山に選ばれているから、
登山コースがけっこうハードなのにかかわらず、
この時期は、とにかく、人が多い。
クライアントである某誌編集部は、
最も一般的な「糠平川コース」のルポを望んでいたのだが、
宿泊地となる幌尻山荘が、8月末まで予約で満員、
とのことで、やむなく断念することになった。
対案の「新冠川コース」は、
5時間を超える林道歩きを余儀なくされるので、
こちらは、精神的理由から、拒否。
最後に残された手段は、沢登りしかない。
十勝側から、戸蔦別川を遡ってやるのだ!

日高山脈登山の基本は、沢登り、である。
その基本に立ち返って、意気込むのはいいけど、
実は、技術的に、多少の不安もないではない。
そこで、ぼくの山の師匠で、日高山脈の生き字引きである、
帯広在住のK氏に同行を打診したところ、
どうにか仕事を休める、とのことで、快く了承してもらった。
これで、鬼に金棒、である。

天気のいい日に、美しい沢を歩くのは、本当に楽しい。
特筆すべきは、この2泊3日の登山で、
誰一人として人間に出会わなかったこと。
とくに、幌尻岳は、あの「百名山」だし。
ようやく頂上にたどり着いたところで、
関西系おばちゃん団体の爆裂トークや、
おっさんたちの大量だみ声なんぞ聞きたくない、
という我々の切なる願いが叶った気がした。
つらい行程を耐えたご褒美のひとつか。

結果的には、2日間は晴れたが、
やはり、超絶神域雨男のパワーが炸裂!!
2日目の夜中から、土砂降りで、
(テントが壊れそうなくらいの大雨!)
そのまま、3日目も、ほとんど1日中雨だった。
日高の沢で怖いのは、何といっても、クマと雨なのだが、
もしかしたら、停滞か!という懸念をよそに、
実際下りてみたら、沢の増水は大したことなく、
通常よりちょっと大目の水量、という感じだった。

クマに関しては、
カール底に下る際、テン場に着いたとき、などなど、
頻繁に、3人で大声を出して、こちらの所在を知らせたり、
食料とゴミをテントから離しておくなどの対策をとった。
そのせいか、真新しい掘り起こし跡などは顕著にあったけど、
良くも、悪くも、クマさんとは出合えなかった。

この山行の詳細な行程は、ぜひとも、
来年夏頃発売の某誌をご覧いただきたいと存じます。
大荷物を持って、さらに、撮影しつつの遡行だったので、
歩行時間は、通常歩くペースに比べたら、
かなり増えているものと思われますが、
参考までに記しておきます。
(全行程、沢靴で歩きました)


初日(2006年8月21日)
帯広市内〜戸蔦別川林道第6号砂防堰堤 1時間20分(車)
戸蔦別川林道第6号砂防堰堤〜8の沢出合い 2時間(林道歩き)
8の沢出合い〜三股 5時間20分(沢)
行動時間 8時間

2日目(8月22日)
三股〜戸蔦別岳への稜線(東側) 5時間50分
稜線〜カール底の七ッ沼 1時間
七ッ沼テン場〜幌尻岳 2時間10分
幌尻岳〜七ッ沼テン場 1時間30分
行動時間 12時間半

3日目(8月23日)
七ッ沼〜戸蔦別岳への稜線(東側) 1時間10分
戸蔦別岳への稜線(東側)〜三股 4時間50分
三股〜8の沢出合い 3時間
8の沢出合い〜第6号砂防堰堤 1時間50分
行動時間 11時間



写真をクリックすると、大きな写真が見られます。
(これらの写真は、すべて、Nikon D70で撮影しました)


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