近況愚写録 

続・きのこ、粘菌、きのこ。
(2010年8月5日)

さて。

ツイッターのつぶやきに、
遅れること、実に、数週間。
またまた、ほぼ、おんなじ写真を、
ウェブサイトでもアップしようかと(笑)。

8月になって、
ネイチャー系ガイドの仕事が、
やや忙しくなってきましたので、
好きなときに好きなだけ、
きのこ、粘菌(変形菌)の写真を撮る、
というわけにはいかなくなりつつあります。

でも、まあ、とりあえず、ほぼ毎日、
朝4時くらいに起きて、阿寒湖周辺の森を、
うろうろぶらぶら。

写真を撮る、撮らないにかかわらず、
朝の森の散策は、非常に、気持ちがいいものです。

ま、そんなこんなで、
暑さに負けず、吸血昆虫に負けず、
ぼちぼち、やってこうと思ってます。


koubaitake

コウバイタケ


manentake

マンネンタケ


dokubenitake

ドクベニタケ


kiirosuppontake

キイロスッポンタケ


hariganeochibatake

ハリガネオチバタケ


mamehokori

マメホコリ


murasakihokori

ムラサキホコリ


akanumabenitake

ベニヒガサ


tamogitake

タモギタケ


そして、おまけ。
久々に、きのこ、粘菌、柴犬はなさん以外の写真(笑)。

ezojika

オンネトーで悠然とたたずむ、エゾジカ


(撮影データ=7枚=D300)

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 近況愚写録 

初めて見るきのこ。
(2010年8月16日)

今年の夏の暑さに根負けしてしまったのか、
森のきのこは、小休止状態。

雨が多かったためか、
粘菌も、これまた、小休止状態。

そうは、言っても、
可能な限り、毎日、森へ行くのだ。
行けば、何か、必ず、発見があるから。

そして……。

見つけてしまいました!

はっきり言って、
ありふれたきのこなのか、
超稀なきのこなのか、
見当すらつかないのですが、
自分としては、

「やったあ〜」

という、発見なのでした。

手持ちの図鑑を見ても、インターネットで調べても、
まったく情報が見つからない、
初めてのきのこを見つけた快感ときたら……(笑)。

前置きはともかく、
何はともあれ、お目にかけましょう。
とくと、ご覧あれ(笑)。


kisei kinoko


アブの仲間の幼虫に寄生した、
冬虫夏草のサビイロクビオレタケに、
さらに、寄生しているきのこ!
(サビイロクビオレタケの大きさが5mmくらい)

寄生の寄生(笑)。
ある意味、最強のきのこですな。

このきのこについて、ご存知の方があれば、
ぜひ、ご教授の程、お願いいたします。


そして、またまた、
ツイッターでアップした写真もご覧あれ。


tamagotake

タマゴタケ


mojihokori

モジホコリ


numerisasatake

ヌメリササタケ


tugasarunokoshikake

ツガサルノコシカケ


shirokonakaburi

シロコナカブリ


yaguratake

ヤグラタケ


hariganeochibatake

ハリガネオチバタケ


mamehokori

マメホコリ


(撮影データ=9枚=D300)

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 近況愚写録 

ラップトップ、乗り換え。
(2010年8月24日)


MacBook Pro

MacBook Pro


突然、だった。

10年来!愛用しているPowerBook G4で、
写真のチェックをしていたら、
マウスが使えなくなった、というか、
ポインターが消えてしまった。

リターンキーを押しても、
何のキーを押しても、まったく反応なし。

「command」と「option」「esc」を同時押しして、
再起動させることも不可能。

仕方がないので、電源ボタン長押しで強制終了。

1分ほどしてから、起動スイッチを押す。
ウイーンと内部でかすかに音がするものの、
画面が灰色のままで、変化なし。

あちゃあ!

もう一度、
電源ボタン長押しでシャットオフ。

30秒ほど待ってから、今度は、
電源ボタンと同時に、
「P」「R」「command」「option」を押し、
PRAMをクリアする。
起動音を2回聞いてから、手を離す。

さっきと同じく、音はするものの、
灰色の画面のままで、変化なし。

う、う〜む……。

またまた、電源ボタン長押しでシャットオフ。

残す手は、ひとつ。
背面のリセットボタンを押し、
5秒待って、電源、オン。

おお!

ようやく、起動したぞ!
と、喜んでいる場合ではない。

すぐさま、
iDiskと外付けハードディスクに、
必要書類のバックアップをとる。

チタン製の初代PowerBook G4(500MHz)。
よくぞ、10年も頑張ってくれたなあ……。

思えば、10年前、
発売日に新宿西口のヨドバシカメラ本店へ行くも、
当然のごとく売り切れだったので、ほぼ買うのをあきらめ、
それでも、万が一、と思って、
紀伊国屋書店へ行くついでに、
東口のヨドバシカメラに寄ったところ、
「実は1台だけ予約がキャンセルになりまして……」
と、店員。

などと、
感慨にふけっている場合ではなく、
どうも、今度ばかりは、新しいマシーンを、
購入せずにはなるまい。

Nikon D300のRAWデータを開くのに1分!かかるし、
YouTube で動画を見るとパラパラ漫画になっちゃうし……。

でも、逆に言えば、それ意外のことは、
ほぼ対応できていた、ということで、
初代PowerBook G4 の偉大さが身に染みる。
(価格もすごく偉大だったけど……)

雌阿寒岳の頂上から噴火口へ、ぴょん!
(「清水の舞台」の阿寒バージョン、です)
ついに、というか、ようやく、というか、
15インチの MacBook Pro をゲット!

フェラーリ 512BB から、
フェラーリ 599に乗り換えた感じ(笑)。
ものすごく、想像以上に、快適、早い!早い!

RAWデータがさくさく表示されるし、
また、その写し出される画像の美しいこと……。

ああ、これが10年という月日、
テクノロジーの進歩なのですな……。
(我が机に鎮座する iMac G5より格段に早いし)

って、ことで、
twitter なんぞにうつつを抜かさず、
しっかり、がっつり、仕事をするぞお!


MacBook Pro/shibainutenugui

MacBook Pro と 柴犬てぬぐい。
冨嶽三十六景の壁紙と柴犬てぬぐいの和テイストが、
なかなかいい、と自負しております(笑)。


(撮影データ=2枚=GX100)

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 近況愚写録 

糸井さんと、きのこをめぐる森あるき。
(2010年9月20日)


hobonichi

きのこから見るきのこを見る人(ツイット中?)。


「ほぼ日」 の、糸井重里さんが、
きのこを見るために、阿寒へやってきた。

「ほぼ日」さんとは、昨年の秋に、
ぼくの写真をつかっていただいて以来のご縁。

暮れに南青山の事務所へお伺いさせていただいたときにも、
糸井さんや、スタッフの皆さんと、
きのこトークで、すんごく盛り上がったのだった。

通常の年であれば、9月下旬は、
森のあちこちに、さまざまなきのこが顔を出す、
絶好のきのこ観察シーズンのはず。

ところが、今年は、
思いっきり暑い夏に加えて、9月の小雨で、
きのこの発生は、例年より半月ほど遅れている感じ……。

わざわざ東京からいらっしゃるのだから、
いろいろなきのこを見せてあげたいなあ、と、
思いつつも、ないものは、仕方ない(笑)。

コントロールしようとして頑張っても、
なかなか思い通りにいかないのが、
自然、なのだ。

最初の森へお連れしたとき、
糸井さんも、スタッフの皆さんも、
言葉少なめだった。

でも、皆さんの顔がいきいきしているので、
喜んでいただいている、と確信。
あえて、ぼくも、多くを語りかけなかった。

雨できらきら輝いている木々の緑。
川のせせらぎ、木々をゆらす風の音。
森、そして、トドマツの葉や松ヤニの香り。
踏みしめる大地の感触。
コケや地衣類やきのこが生えている倒木の触感。
マタタビやイチイなどの木の実の味。

などなど、五感を総動員して、
阿寒の森を、感じつつ、お楽しみいただけたようで、
こちらも、すんごく嬉しかったです。

倒木やきのこや地衣類を意識すると、
まったく違う森の姿が見えてきたりするもの。

そう、きのこは、
いろいろなことを教えてくれるのさ(笑)。

「ほぼ日」のスタッフには雨男雨女がいるらしく、
ほどよく雨が降っていたので(笑)、
懸念していたきのこも、そこそこ顔を出していてくれた。

翌日行った森も「きのこ採り」も、
いろいろとご堪能いただけたみたい。

そのおかげで、ぼくらも、
超絶きのこ料理を食べることができたわけですな(笑)。

よかった、よかった。


hobonichi

ふむふむ、これが、冬虫夏草かあ。


kinoko

本日のきのこ採り成果、プラスアルファ。
カゴの中は、各種さまざまなきのこたち。
あとは、時計回りに、
ホウキタケ、マツタケ、マイタケ、ハタケシメジ。
すべて、地元で採れた天然もの。
ちなみに、
マイタケは、アイヌ料理屋ポロンノのマスター、
郷右近さんからの差し入れです。


kinokonabe

マイタケ、ハタケシメジ、をはじめ、
ホウキタケ、ヌメリササタケ、ヤマイグチ、ホコリタケ(丸いやつ)が入った、
超絶きのこ鍋。味はもちろん各種きのこの食感もたまりません。


yakikinoko

超絶焼きマツタケ。マツタケって、あま〜いんだから。


kinokogohan

超絶マツタケご飯。もう、何も言うまい。


(撮影データ=6枚=GX100)

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 近況愚写録 

きのこ写真、などなど。
(2010年9月23日)


hoshianzutake

超ビジュアル系きのこ、ホシアンズタケ。
赤地に白で描かれた混沌模様の傘と、
滴る紅い汁がチャームポイント。



hanagoke/gozentachibana

もっふもふで絨毯みたいな地衣類・ハナゴケの間から、
ひょっこり顔をのぞかせるゴゼンタチバナ。



koganetengutake

朝日が差し込み始めたばかりの森の中に、
ひっそり、どっしり、生きている、コガネテングタケ。



murasakihokori

サビムラサキホコリ。
粘菌は重力が働く方向?をまったく気にせずに伸びる。
この写真は、真上から地面に向かって撮影しているのさ。



nenkin

何気なく落ち葉を見たら、粘菌がついていた。
残念ながら、名前は、わかりません。



hachitake

クロスズメバチに寄生した、冬虫夏草のハチタケ。



inusengbontake

倒木の端から端まで、びっしりと、
イヌセンボンタケが生えていた。



inusenbontake

イヌセンボンタケの、きらきら写真。


(撮影データ=9枚=D300)

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 近況愚写録 

危険で、恐ろしくて、楽しくて、わくわくする森。
(2010年9月28日)


rindou

森の奥へ奥へと、道は続く。


阿寒湖は道内有数の「パワースポット」。
その中でも、特に「気」が強い場所を訪れると、
仕事運や恋愛運がぐんぐんアップ、だって!
し、知らなかった……。

しか〜し。

仕事でほぼ毎日そんな場所を訪れているぼくの、
仕事運や恋愛運がアップしないのは何故か?

訪れるどころか「パワースポット」その場所にある、
阿寒湖畔温泉街の経済状況があんまり良くないのは何故か?

「パワースポット」とか「風水」とか「気」は、
人を選ぶってことですかねえ……。

う〜む……。

阿寒湖周辺に広がる森には、
長い間人の手が加わっていない所も多くあり、
日本でも有数の豊かな自然が残されています。

だから、森へ入ったら、
都会生活ふうに、アタマでいろいろ考えちゃう前に、
ぼ〜っとしつつ、
五感をフル稼働させることをオススメします。
(と、いうか、ぜひ、ぜひ、森へ行くことをオススメします)

都会では、
こうしたら、ああなる、とか、
ああするために、こうする、とか、
因果関係や相関関係をしっかりふまえ、
「結果」を出すことが求められるし、
それが生きていく術でもあるので、
アタマをしっかり使うことが必要です(笑)。

でも、森など自然の中では、
人間が思ったり予想した通りの結果にはなりません。
思考よりも感覚が意味を持つ、と思うわけです。

自分の五感で実際に感じられることだけが、
目の前の自然や森のすべて。
見えないもの、音がしないもの、
臭わないもの、触れられないものなどなど、
その場で実感できないものは、存在してないのと等しい。
実に単純なハナシ(笑)。

動くものに敏感になり、
音に敏感になり、
香りに敏感になる……。

普段は眠っているかもしれない、
本能や、さまざまな感覚が、
大自然へ足を踏み入れた途端に、
ささっと目を覚ますわけです(笑)。

本能的に、その場所で生きていくことを仮定して、
敵味方を認識したり、食料を探したりとか……。

自然が豊かな場所なら、
ちょっと散歩するだけでも、
似たような緊張感が味わえますよ(笑)。

森が「癒し」とか「スピリッチュアル」とか、
生きる張り合いが生まれ、運気が良くなる理想の楽園、
とばかりに語られるだけの場所ではなく、
臭かったり、虫がたくさんいたり、風雨にさらされたり、
くまさんがうろうろしていたりと、
不快だったり危険だったりする顔を持っていることも、
その場に立ってみれば、きっと実感できるでしょう。

危険がまったくなくて、快適で、
リラックスできて、癒される、といった森が、
果たして自然本来の姿だと言えるかどうか……。

僕を含め、多くの人は、もうすでに、
森で生きていく能力を失いつつあるわけですから、
ある意味、森は、恐ろしくて、危険な場所であるはず。

そう、阿寒には、
あの大きなヒグマがたくさん生きていけるほどの、
自然豊かな、本物の森があります。

危険で、恐ろしいけど、楽しくて、わくわくする森。

写真家の星野道夫さんもおっしゃってましたけど、
クマが棲めないような森は魅力激減です。

本物の自然の中に足を踏み入れたら、相当の余裕がない限りは、
仕事運とか恋愛運とかを考える余地はなさそう(笑)。

もともと「風水」とか「気」などは、
ニンゲン(脳内)にこそ作用するものであって、
自然(脳外)に作用するものではありませんよね。

それにしても、
誇るべきもの自慢すべきものがたくさんあるのに、
商業主義的観光誘致的広告的勘案から、
伝承でも歴史でも何でもない、
「現代のお伽話」的な仕掛けを施すというのは、
いかがなものかと……。


nakaguromorinokasa

アカエゾマツの森に朝日が射しこむ。
きのこは、ナカグロモリノカサ。


oodaiashibeniiguchi

上の写真ととこの写真の2枚には、
人間がつくったものは、ひとつも写っていないのだった。
きのこは、アシベニイグチ。


(撮影データ =3枚= D300)

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 近況愚写録 

紅葉前線、接近中。
(2010年10月1日)


fuchidoritsuetake

倒木を覆うコケの間から顔を出す、フチドリツエタケ。


10月1日です。

今年も残すところ、あと、3か月。
そして、まもなく休煙4年になるぼくには、
あんまり関係なくなってしまいましたが、
今日から煙草の大幅値上げ。
愛煙家にはツライ世の中に……。

さて。

阿寒湖周辺の紅葉は、
ここのところの寒さで確実に色づきはじめてます。
猛暑の影響もあってか、見頃は例年よりやや遅い、
体育の日の次の週くらいかと。

しかしながら、
まだ木々の葉に緑が混じっている今時期のほうが、
彩りにバリエーションがあるし、
葉っぱもしっかりしているので、
ぼくは、大好きですけどね。


akangawa



akangawa



akangawa

阿寒川の紅葉。 本日、10月1日の朝撮影。
もやもやしているのは、温泉の湯気です。


(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

「創作」と「労働」。
(2010年10月3日)

fuchidoritsuetake

ほんの数分の間だけ、朝日が射しこむ、阿寒川の支流。


明るいリビングの片隅にある小さなベッドで、
すやすやと寝息をたてる、ショーン。

まだ、食器が片付けられていないテーブル。

真っ白で大きなソファーに腰をおろし、ふと、
壁に立てかけてあったマーチン D-28 を手に取って、
爪弾きつつ、ハミングをするジョン。

何度かフレーズを確認したあと、
おもむろに、カセットテープレコーダーのスイッチを入れる……。


あくまでも、想像です、はい。

10月6日に発売予定の、
ジョン・レノンCDボックスセットには、
レア音源、未発表音源を収録したボーナスディスクが!

未発表音源とされる「One Of The Boys」という曲は、
ショーンの子育て中の1977年につくられたものとか。

内田樹さん的思考を元に愚考するならば(笑)、
往々にして創作活動なるものは、
小説でも、音楽でも、絵でも、料理でも、手芸でも、写真でも、何でも、
お金を稼ぐ手段、というよりも、
創作すること自体が楽しくて楽しくて仕方なくて、
さらには、
その成果を享受した他の誰かが、

「ありがとう」

と言ってくれることが、最大級の喜びなんですよねえ。
(プロへの対価の支払いは「ありがとう」とほぼ同意かな)

当時、ジョンが、子育て中のリビングで、
当面発表するあてもない曲をつくっていた、とするならば、
なんとなく、そういう感じではなかったのかなあ、
なんて思うわけであります。

その歌を聴いたら、ぼくは、きっと、
大きな大きな喜びを感じて、つくってくれたジョンに対して、
心から「ありがとう」と伝えたくなると思うんです。
(もう、直接に伝えることはできないけど……)

ところが。

世の中には、
成果、イコール、利益を増大させるもの、
と、考える人もいるわけです。
それが悪いとは言いませんが。

企業とか、未亡人とか。

音質アップのデジタルリマスターと、
数曲の未発表曲を聴くために、2万円かあ……。

たぶん、ボックスセットは買わない(買えない)でしょう。
ジョンに、新しい「ありがとう」を伝える機会を、
奪われてしまった喪失感が……。

未発表曲だけ DL できればいいなあ……。
がんばれ、iTunes Store !



ま、それはさておき。

自然の中で、きのこの写真を撮っているぼくも、
楽しくて楽しくて仕方がないわけです。

後になって、ぼくの写真を見た人が、
少しでも喜びを感じてくれるなら、すごく幸せです。

遊びにしかみえないかもしれないけど、
誰かが、何等かの「対価」を支払ってくれたとき、
「遊び(=創作)」は「労働」になるわけです(笑)。

東京のギャラリーから、
個展をしないか、
というお誘いをいただいているのですが、
なるべく多くの皆さんに写真を見ていただきたいので、
そろそろ、ウェブサイトだけではなく、
いろいろな形で写真を見ていただく機会をつくりたいなあ、
などと思う今日この頃であります。

雑誌とかのメディアは?
(掲載直前に廃刊という悲しい過去が……)

きのこシーズンが落ち着いたら、
少しは営業活動も本格化させなければ。
きっぱり!


akangawa

川沿いの枯れ木にひっそり生える、フチドリツエタケ。


akangawa

ぷっくり萌え系(笑)、ブナシメジ。
撮影後、採取。


(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

川沿いの森、逍遥。
(2010年10月6日)

mukitake

川沿いの古木から生える、ムキタケ。

森の木々が、赤や黄色に染まりはじめると、
そろそろ、ムキタケが顔を出すころ。

最初は、小指の先くらいの大きさだけど、
形は、しっかりと、あの半円形のムキタケ。
それがだんだん成長していく姿を観察するのは楽しい。


numeritsubatake

ヌメリツバタケと、コケと、地衣類。

倒木をびっしり覆う、コケや地衣類。
その間から、今年は豊作の、ヌメリツバタケが顔を出す。
倒れた木は、こうやって、だんだん分解されて、
やがて、土へと還っていくのだなあ……。


murasakihokori

粘菌(変形菌)の、ムラサキホコリ。

川沿いの森にある小高い丘の、大きなシナノキの倒木。

遠くから眺めると、別に、何の変哲もない、ただの倒木だけど、
近づいて、腰を落ち着けて、舐め回すようにじっくり観察すると、
大小さまざまな、きのこや粘菌が生えている、宝の倒木なのだ(笑)。


todomatsu

天気雨と、トドマツ。

阿寒湖周辺は、山岳地帯でもあるためか、
本当に天気予報がアテにならない。
森へ行くときは、晴れていても、
雨が降る前提の装備が必要なのだ。

(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

森を見渡す窓のように。
(2010年10月7日)

mori

天地創造の瞬間(笑)。


最近、霧がかかることが多いので、
森へ行く時間を遅らせている。

夏の間は、午前5時前くらいに行ってたけど、
今は、7時半くらいに霧が晴れることが多いので、
逆算して、6時くらいに、森へ。

朝露でしっとりしている森を、
長靴とレインウエアを濡らしながら歩く。
実に、気持ちイイ。

川沿いの森へ行く場合だったら、
笹をかきわけ、倒木を乗り越え、
つるつるの土斜面を登り降り。
時には、川の中をじゃぶじゃぶ……。

いつも通る獣道の脇にあるモミジが、
日毎に、確実に、紅くなっていく。

早朝は、きのこも、しっとり。
まるで、メイクをしてスタンバイしているかのよう(笑)。

新しく見かけるきのこもあれば、
朽ちていくきのこもある。

森の奥へと進むにつれ、辺りが明るくなっていく。
青や黄色や紅い葉っぱの、更に上に広がる、
ミルク色の霧の隙間からだんだん青空が見えてくる。

そして。

太陽が、切れ味鋭い刃物のように、
ささっと射しこんでくる。

本当に、ささっと。

大げさに言うなら、その一瞬に、
天地が創造されるのさ(笑)。

そんな、心にずしん、とくる瞬間を、
実際に、みんなに、見せてあげたいけど、
現実問題として、なかなか難しい。

この「浮雲倶楽部」が、
森を見渡せる小さな窓のようなものとなり、
そんな、こんなの風景、
(と、言っても、きのこ、粘菌、柴犬はなさんがらみですが)
をお届けできればなあ、なんて思ってます。

実際に阿寒へお越しになられる方がいたら、
その時は、森への「ドア」になりますよ(笑)。


mori

最盛期ではないけど、色鮮やかな紅葉。

真っ白い霧の隙間から、
太陽が顔をのぞかせる、ほんの前。

そう、
太陽が射しこんでしまうと、逆光になるので、
写真的に、きれいに写すのが難しのであります(笑)。


nimeritsubatake

ヌメリツバタケ。

同じ木の、別の部分では、
フチドリツエタケと、ハナガサタケが、
ヌメリツバタケの覇権を阻止すべく、
様子を伺いつつ、成長しているのであった(笑)。

(撮影データ =3枚= D300)

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 近況愚写録 

スギタケ、三変化。
(2010年10月8日)

numerisugitakemodoki



numerisugitakemodoki



numerisugitakemodoki


上に掲げた写真は、
川に倒れ込んだ枯木から生える、スギタケ。
3枚とも、同じ個体です。

きのこを見つけたら、
カメラのシャッターを押す前に、
まずは、じっくりと、観察。

立ったり、しゃがんだり、腹ばいになったりしつつ(笑)、
色々な角度から、きのこを眺めまわします。

きのこ本体がきれいに見える角度を探しつつ、
太陽の位置やら、明るさやら、背景やら、
何のレンズを使うか、など、
もろもろのことを考慮し、三脚を構える位置を決定。

次に、ファインダーをのぞいて、
「主役」を生かす全体的な構図を確認し、
背景のボケ具合などを考えつつ絞りを決め、
いざ、撮影。

上のスギタケみたいに、
川に倒れこんだ木から生えているような場合は、
背景によって、かなり印象が変わるので、
いろいろな位置から撮影します。

ちなみに、2枚目は、失敗作。
きのこの右側に枝が伸びていて、
ちょっとうるさいでしょ?


(撮影データ =3枚= D300)

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 近況愚写録 

色づくアカエゾマツの森。
(2010年10月9日)

akaezomatsu



akaezomatsu



akaezomatsu



syougenji


例年よりも、暑くて、長かった夏のせいか、
今年の紅葉は、赤の色づきがあまりよくないですねえ。

とはいえ、針葉樹の森の中の赤や黄色なので
すごく目立ってます。

派手な紅葉、というより、落ち着いた紅葉(笑)。
この良さがわかるようになると、森歩きも、
また、一段と、楽しくなるんですよねえ……。
(ちょい、悔し紛れ……)

足元をよく見ると、
ショウゲンジがまた顔を出しはじめ、
黄色い蝋細工のようなカベンタケが、あちこちに。

足早にやってきた秋は、
足早に去っていくのでした。


さて。

写真とは関係ありませんが、本日、10月9日は、
JOHN LENNON さまの、70回目の誕生日。

ただいま、MacBook Pro の iTunes は、
傑作アルバム「Walls And Bridges」の2曲目、
「Whatever Gets You Thru The Night」を再生中です。


(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

倒木萌え。
(2010年10月10日)

touboku naratake

川にかかる橋のように倒れた、ミズナラの巨木。
驚くべきは、この木が生きていて、真上に枝を伸ばしていること。
生えているきのこは、ぼりぼり、こと、ナラタケ。


ええと、本日は、2010年10月10日。
と、いうことで、浮雲倶楽部も、
10時10分の更新を目指したりして……(笑)。

でも、まあ、
出来上がったらすぐにアップしちゃうんですけど。

それはさておき。

人工の森、というのがあるのかどうかわからないけど、
人工の森と、天然の森の、大きな違いは何だと思いますか?

思うに、倒木のありなし、ではないでしょうか?

いわゆる里山にしても、公園にしても、人が管理する場所では、
人にとって、不都合、危険、不要なものは、すぐに排除されちゃいますから。

阿寒の森を初めて訪れた人の多くが、
その、倒木の多さに、すぐ気づきます。

倒木は、
植物やコケや地衣類や菌類や昆虫やバクテリアなどなど、
さまざまな生物の、餌となり、住居となり、
すごく重要な働きをしています。

また、大きな木が倒れることで、
おおきなスペースができたり、
林床に太陽の光が射しこんだりして、
次の世代がすくすく育ち始めたりと……。

そう、人にとっては、不都合で、不要でも、
他の生物には、とても重要なものなんですよね。

そして、その、倒木を見るのが、
実に、楽しいんですよ。
いや、本当に。

倒木を見かけたら、ぜひ、
じっくり、じっくり、観察してみてください。

人にとっても重要なものに思えてきませんか?


akaezomatsu touboku

アカエゾマツの倒木。まるでオブジェのよう。


touboku kitsunetake

ミズゴケやスギコケにおおわれて、
かつての姿を失い、もう何の木だかわからない倒木。
(おそらくアカエゾマツかトドマツ)
キツネタケが生えている、ということは、成分的に、
もう木というより土に近くなってきているのかもしれない。


toubokukoushin

倒れた木の上で発芽することを倒木更新という。
栄養状態が貧しい土壌において、
コケやきのこなどによって分解されつつある倒木は、
きっと、周りの土壌に比べたら、栄養の宝庫なんだろうなあ。


(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

紅葉見頃、ムキタケ食べ頃。
(2010年10月10日)

kouyou

お昼近くになって、晴れてきたので、
胴長をはいて、源流部から川を下る。
やっぱり、真上からの強い昼の光で撮影すると、
写真としては、ちょっと、平板。


kouyou

さらに川を下ると、モミジの屋根が。
この辺りは、いたるところで高温の温泉が湧き出しているが、
天然の露天風呂になるような場所はない(笑)。
奥の緑の葉っぱが紅くなる頃には、
他の葉っぱは、ほとんど落ちてしまうのであった。


mukitake

今年は、ムキタケが大豊作。
そして、今が、食べごろ。
色とりどりの葉っぱがとてもきれい。


mukitake

水際の倒木に生えているムキタケ。
紅葉の色味は、手前の水たまりに写っている方が、見た目に近い(笑)。


ちなみに、写真の解像度を、
大胆に落としてアップしてみました。
(ファイルサイズが3分の1くらい)
いかがでしょう?


(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

葉っぱ、葉っぱ、はっぱ、ふみふみ。
(2010年10月14日)

kouyou ochiba

まさに、錦繍のような落ち葉。


ひと雨ごとに、秋色が洗い流されていく。

前日から降り続いていた雨が、
昼前にようやく小降りになったので、
紅葉を撮影する最後のチャンスを逃すものか、
と、すぐさま支度をして、川沿いの森へ。

森の奥は針葉樹が多いけど、
川沿いには広葉樹がたくさん生えているのだ。

森の中は、一面、落ち葉だった……。

その、落ち葉で鮮やかに彩られている地面に、
風が吹くたび、紅や黄色やピンクや茶色の葉っぱが、
舞いながら、さらさらと、大量に落ちてくる。

いやあ、絶景、絶景。

ひと口に、紅とか、黄色とか言っても、
1枚の葉っぱを見ても色のグラデーションがあるわけだし、
ましてや、他の葉っぱをよ〜く見れば、
おんなじ色の葉っぱなんか、1枚もない。

歩くと、かさかさと音を立てる、この、葉っぱの絨毯を、
ふみふみするのが申し訳ないような気さえする(笑)。

と、落ち葉ばかりに見とれていないで、
さっさと、きのこ眼にチェ〜ンジ!

ほら、ありました。
そこにも、ここにも、あそこにも。
相変わらず、ムキタケとボリボリ(ナラタケ)は大量。
でも、ベニテングタケはほとんど姿を見せず……。

まあ、何はともあれ、
「浮雲倶楽部」をご覧の皆さま、
しばし、落ち葉ときのこの共演をお楽しみあれ。


kiraratake

キララタケ


kurosakazukishimei

クロサカズキシメジ


naratakemodoki

ナラタケモドキ

(撮影データ =4枚= D300)

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 近況愚写録 

八甲田の森。
(2010年10月31日)

tsutanuma

先週のハナシ。

苫小牧港から乗ったフェリーは、
定刻の午前4時45分に八戸港へ着いた。

まだ暗い道を、八甲田方面へ向かう。

朝食を買うために立ち寄ったコンビニで、
ついついじっくりとマンガを立ち読みしてしまい、
蔦温泉へ着いたときには、
森に射しこんでいた太陽の光が、
早朝ならではの赤みを失いつつあった。

急いで準備をして、沼巡りの遊歩道へ。

鏡のような水面が美しい蔦沼には、数人の先客がいた。
みんな、カメラマン。

お天気がいいだけに、綺麗は綺麗なんだけど、
太陽の角度が上がってしまうと、
写真が平板になってしまうのは否めない。

反省。


buna

遊歩道からちょっと外れて、
ずり落ちてしまうような斜面をよじ登ると、
その圧倒的な存在感に惚れてしまって(笑)、
毎年欠かさず春と秋に会いに行っている、
どっしりと、大きな、ブナの樹がある。

数年前にその巨樹から折れ落ちた、
太くて大きな枝は、まるで倒木のよう。

クチキトサカタケや、スギタケや、ツキヨタケ、
そして、マメホコリなどなど、
様々なきのこや粘菌のすみかになっているのだった


buna no mori

当然のことながら、標高が上がるにつれ、
黄色や紅や茶色など木々の色づきが良くなる。

良くなる、と言っても、
今年の紅葉は、夏の猛暑の影響か、
北海道も東北も一様に、紅系の色がイマイチ。

紅葉、というより、冬枯れ前、という感じ。

最近はどこの森を歩いていても、
(東京の表参道を歩いていても!)
きのこや粘菌ばかりを探してしまうので(笑)、
時々、意識して立ち止まっては、辺りを見渡す。

お、真上に「絶景」を発見!
ブナに、トチノキに、カエデなどなど、
さまざまな色や形の葉っぱが大集合。

森の木々は、生存をかけて、
競争をしているイメージがあるけど、
よくよく見るとまるで決まった区画があるかのように、
きちんと空間を共有している?

紅葉を見たりきのこ狩りをしたりすることだけが、
秋の森の楽しみ方ではないのさ。


(撮影データ =3枚= D300)

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 近況愚写録 

続・八甲田の森。
(2010年11月1日)

tsuta no mori

「近況」とはいうものの、先週の東北遠征の続き。
ぼくの分身は、まだ、八甲田の森にいるのだ(笑)。

目を奪われるような大自然の営みはもちろんなんだけど、
何の変哲もない、というと、すごく語弊があるけど、
どこでも見られるような「普通」の風景が好き。

ブナを中心とした明るい広葉樹の森の底では、
次の世代が、徐々に、確実に、育ってきているし、
当たり前だけど、
小さい木々だって紅葉しているのだ。

そんな、森の、日常感?が、たまらない(笑)。


ogawa

緑のダム、
などと言われるように、
ブナの森では、いたるところで、
小さなせせらぎを見ることができる。

清冽な水は、森のさまざまな命を支えるだけではなく、
たまたま立ち寄ったニンゲンの心も潤してくれる。

せっかく森へ行ったのに、
せせらぎの音をじっくり聴かないのは、
実に、実に、もったいないと思う。


minamo

この写真を見て、

「きゃあ、何これ、何が写ってるの?」

と、思ってもらえたらなら、しめしめ(笑)。
そう、自然とは、混沌である。

ニンゲンの目はすごくよくできていて、
沼の水面に映る森の木々と、
水中に沈む色とりどりの落ち葉とが、
渾然一体となって入り交じる様子を、
瞬時に、自分が見たい方へ、切りかえることができる。

水中、反射、どちらの世界を見るにしても、
しばらくすると、何が何だかわからなくなってくる(笑)。

それでいいのだ。

それがいいのだ。

でも、カメラで撮影するとなると、
そう簡単にはいかない(笑)。

こういう被写体は、
オートフォーカスも案外苦手。

PLフィルターを使うにしても、
効かせ過ぎると木々がぼやけるし、
効かせないと水面に反射する太陽の光が強すぎたり……。

自分が目の当たりにしている世界を、
そのイメージどおりに撮影するのは、
なかなか難しいのさ。


tsuriganetake

すわ、ツキヨタケか!

と、期待して近づいてみたものの、
きのこの正体は、ツリガネタケだった。
(いわゆる、サルノコシカケの仲間)
ま、仕方ないわな。

そうそう、
八甲田とは関係ないけど、
ツリガネタケ、と言えば面白いハナシがあるのよ。

少しお付き合いのほどを……。

イタリア・オーストリア国境にある渓谷の氷河で、
1991年に、登山者が男性の遺体を見つけた。

ミイラ化していたその遺体は、調査の結果、
およそ5000年前の、新石器時代のものと判明。
「アイスマン」という愛称がつけられた。

アイスマンは、
先端が火打ち石でできた短刀や火おこしの道具、
さらには、
2種類のきのこを携えていたそうな。

ひとつは、サルノコシカケ科のカンバタケ。
これは、宗教的上の道具、
あるいは、薬として携行された可能性があるのだとか。

そして、もうひとつのきのこが、
そう、皆さまご想像のとおり、
同じくサルノコシカケ科、我らがツリガネタケだ(笑)。
推定される用途は、
火をつけるときに使う火口(ほくち)。

ヨーロッパでは昔から、
ツリガネタケをほぐして火口として使っていた、
という説明があったりするのだけど、
5000年も前から使われていたとしたら、
そりゃあ、昔も昔、すんげえ昔だわな(笑)。

今度ツリガネタケを見つけたら、採取・保存しておいて、
日高山脈の山奥で大焚き火大会をするとき使ってみるかな、
などとは思わないんだな、これが(笑)。
だって、現代には、着火剤ってものがあるわけだし。

ちなみに、研究の結果判明した、
アイスマンの死因は、
なんと、なんと、殺人!だそう。

おあとがあまりよろしくないが、
八甲田編は、まだ、次回に続きそう……(笑)。

(参考:ナショナルジオグラフィック日本版2007年7月号など)



(撮影データ=4枚=D300)

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 近況愚写録 

続・続・八甲田の森。
(2010年11月3日)

buna nijirin

引き続き、八甲田のハナシ。

ここは、いわゆる、ブナの二次林。
ところどころで大きな樹も見られるけど、
基本的には、若いブナばかり。

そんな、若い「森」を縦断する、1本の細い「道」。

比較的近くに車道が通っていて、
車がびゅんびゅん駆け抜けていくけど、
それさえ気にしなければ(笑)、
気持ちのいい森の散歩が楽しめる。

ブナの葉っぱを透過した光のつぶつぶが、
秋ならではの色で降り注いでいた。


tsukiyotake

今年、北東北の森で、
けっこう大量発生しているツキヨタケ(下の枝)。

猛暑の影響で季節の訪れがいつもよりも遅いと思い、
訪れる日程を1週間くらい遅らせたら、
八甲田周辺の多くのツキヨタケが、
盛りを過ぎてしまっていたのだった。

発光ツキヨタケを撮るチャンスをまた逃した……。
ま、そんな年もあるさ。


buna

ツル系の植物も、
細いブナよりは太いブナの方が、
頼り甲斐があるようで(笑)、
この森にある数少ない大きなブナには、
例外なくツルがからまっていた。


suigen

南八甲田の、とある川の水源。
川底から、ぼっこんぼっこん水が吹き出している。

手を入れてみると、
思いっきり冷たいし、底なしだし、
吸い込まれてしまいそうで、ちょっと怖い。

でも、この水は、最高においしい……。

この辺りはいつもとあまり変わってないように見えるけど、
少し下流へ行ってみると、
数年前まで川いっぱいに生い茂っていたバイカモが、激減。
代わりに、名前がわからない藻がたくさん。
いったい、どんな環境変化が起きているのだろう?

ちなみに、写真の右上、
緑色の倒木に、数本のきのこが生えているの、
気づきましたか?


(撮影データ=4枚=D300)

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 近況愚写録 

阿寒きのこの森から。
(2010年11月11日)

akangawa suikei

阿寒川水系の小さな川。


1並びの11月11日でございます。

ええと、本日より、
ほぼ日刊イトイ新聞
で、
みんなで行った 阿寒きのこの森
という、
「きのこコンテンツ」が始まりました。

2010年9月下旬に、糸井さんをはじめ、
「ほぼ日」のスタッフの皆さんが、
阿寒へきのこを見にいらっしゃったときの、
あれやこれやが、赤裸々に語られる、はずです。

そのときの様子は、
近況愚写録
「糸井さんと、きのこをめぐる森あるき。」

で、ほんのちらっと、ふれておりますが、いよいよ本番。
晴れて「ほぼ日」で、連載スタート、です。

初回は、プロローグ前編。
阿寒ではなく、南青山におります(笑)。

なるべく顔写真は使わないでください、
というぼくの願いもむなしく、
生き恥をさらしてしまうことに……(涙)。

ぼくのきのこ写真も多数掲載されますので、
ご覧いただいたうえで、ぜひ、
感想などお寄せくださいませ。

もちろん、お仕事の依頼も、ウエルカム、です!

今年撮影した、きのこ、粘菌写真は、
これから、ぼちぼち、掲載していく所存でございます。
ゆるり、とお待ちください。


(撮影データ=D300)

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 近況愚写録 

久々の粘菌写真。
(2010年11月12日)

murasakihokori

ムラサキホコリ(2010年8月撮影)


ええと、本日も、
ほぼ日刊イトイ新聞
で、
みんなで行った 阿寒きのこの森
は、
更新されております。
「プロローグ編 その2」です。

いま、ちょっと、いろいろ、バタバタしておりまして、
ウェブサイトを更新する時間がなかなか取れません。

しかし、しかし、
「ほぼ日」経由でここへとたどり着き、
ご覧になっている方も多数あるかと。

ならば、ただでは帰しません(笑)!
写真をご覧いただくことくらいしかできませんが……。

と、いうことで、
久々に、粘菌の写真をアップします。

まるできのこのみたいな、いわゆる、
子実体状態の、ムラサキホコリです。
で「穂先」が半透明になっているのがわかりますか?

そう、その名のとおり、ホコリのように次々と、
胞子が阿寒の森へ旅立っているんですねえ。

このムラサキホコリくん、
次はどこで姿を見せてくれるのでしょう?


(撮影データ=D300)

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 近況愚写録 

東北遠征、白神山地。
(2010年11月15日)


11月15日、と言えば、
坂本龍馬の誕生日であり、命日です。

今の暦の換算では(wikipediaによる)、
誕生日は1836年1月3日、命日は1867年12月10日で、
11月15日は、関係なくなっちゃいますが。

ぼくは、こともあろうか、高校3年の冬休みに、
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」と出合ってしまい、
受験勉強そっちのけで文庫本全8巻を3回読んだあげく、
坂本龍馬に感情移入し過ぎてほとんど中毒になり(笑)、
受験を棒に振ってしまった、という悲しい過去があります。
(はい、受験失敗は、単なる現実逃避です)

当時使っていた辞書とか参考書の表紙裏には、
マジックででかでかと「坂本龍馬」と書いてあり、
今、たまに目にすると、実に、赤面モノです(汗)。

もちろん、龍馬ゆかりの地である、
高知やら長崎やら霧島やら京都やらは、
くまなく回ってます!
桂浜で野宿したことだってあります。

この20年近く、
熱海より西へ出かけたことがありませんが(笑)、
もしも京都より西へ出かけたときには、必ず、
京都霊山護国神社にあるお墓参りをするほど。
書簡集など関連書籍もたくさん持ってます。

筋金入りの龍馬ファンでした。

でした、と、過去形を使うのは、
今は、それほど龍馬中毒ではない、ということ。

坂本龍馬、という歴史上の人物その人ではなく、
司馬遼太郎がつくりだしたフィクションとしての、
坂本龍馬が好きだった、ということに気づいた、というか、
まあ、熱さが喉元を過ぎちゃったんでしょうねえ……。

ですから、現在、NHKで放送しているドラマは、
1度も見たことがありません。

そう言えば、日高山脈をこよなく愛し、
あの六花亭の包み紙に絵が使われている、
画家の坂本直行は、坂本龍馬の子孫ですね。

で、まあ、長々と書きましたが、本日は、
坂本龍馬とは、見事にまったく関係のない、
10月末の白神山地の写真をご覧いただこうかと……(笑)。

いちおう、これにて、東北遠征シリーズ、終了、かな。


inusenbontake

イヌセンボンタケ


akachisotake

アカチシオタケ


shiragamisanchi

白神山地ブナの根元


shiragamisanchi

白神山地ブナの森


shiragamisanchi

白神山地、満月の夜


tsugarutouge

白神ライン、日暮れる津軽峠


tsugarutouge

白神ライン、十六夜の津軽峠


(撮影データ=7枚=D300)

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 近況愚写録 

豊穣な森の、豊穣なきのこ。
(2010年11月17日)

阿寒、川沿いの森の、団体きのこ。
2010年9月撮影分。

himechishiotake

ヒメチシオタケ


bunaharitake

ブナハリタケ


mukitake

ムキタケ


nukeritsubatake

ヌメリツバタケ


bunaharitake/budoufuusenhokori

ブナハリタケ(白)を食べる、
粘菌のブドウフウセンホコリ(オレンジ)



(撮影データ=4枚=D300)

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 近況愚写録 

ほぼ日「阿寒きのこの森」
第2日目はオンネトー周辺の森へ。

(2010年11月26日)

onneto mori

湿地帯に生えるアカエゾマツ


hariganeochibatake

ハリガネオチバタケ


kifushisusuhokori

ハナゴケなど地衣類の間から突然現れた
粘菌のキフシススホコリ



hoshizora

オンネトーから見る星空
ぐるぐる回る星の中心にあるのがおなじみ北極星
上の方の白くもやもやしているのが天の川



「ほぼ日刊イトイ新聞」で11月11日から始まった、
「阿寒きのこの森」という連載が、大好評です。

たくさんの方に、いろいろ、
ご感想など、お寄せいただきまして、
本当に、ありがとうございます。

機会があれば、何か、お礼しますね(笑)。

今、連載されているのが、オンネトー周辺の森。
これが、また、いい森なんだなあ……。

連載は、まだ、しばらく、続く予定です。
(年明けには「ほぼ日」で、きのこ新連載決定!)

と、いうことで、
東京へ行っていたりして、
ここのところ、更新していないゆえの苦し紛れで、
オンネトーがらみの写真を何枚かご覧いただこうかと。

今やっている案件が、来週あたり、峠を越える、かな?


(撮影データ=3枚=D300、4枚目のみ=D2X)

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 近況愚写録 

師は走るが、柴犬は寝る、師走。
(2010年12月1日)

shibainu hanasan

陽だまりで火照った体をしばし部屋の片隅で冷やす、はなさん。


今年も残すところあとひと月。
ついに、師走でございます。

「ほぼ日刊イトイ新聞」で11月11日から始まった、
「阿寒きのこの森」は、相変わらず絶好調です。

当初の予定より、かなり長くなっておりますが、
本日も、もちろん、更新されております。

さて。
だんだん寒くなってきましたが、
みなさま、お風邪など召しておりませんか?
暖かくしてお過ごしくださいね。

しかし、まあ、布団から出るのが、
非常に、つらい時期になりました。

自分自身の体温と、
布団プラス毛布などの共同作業で、
ひと晩かかって、暖め、つくりあげた、
まさに、夢心地の、奇蹟のような、
あったかくて、気持ちがいい、超快適空間。

そこから、寒い寒い室内へ、
ぽ〜ん、と飛び出さなければならないわけですから、
つらくないわけがありません!

あの、ぬくぬく状態で、
身も心も、のほほん、としているところに、
悪魔がアタマをかじるかのような、目覚ましの音!

しかし、しかし、
それを、ちょっとだけ無視して、
背徳感と使命感と義務感にさいなまれつつも、
しばし、夢うつつ状態にひたる、甘美なひととき……。

気温が低ければ低いほど、
ああ、このまま2度寝ができるなら、
悪魔にタマシイを売り渡しても構わない、
とさえ思ってしまいますよねえ。

でも、会社にお勤めの方々や、
朝イチから授業がある生徒学生諸君は、
毎日毎日、厳しい戦いに勝利し、
朝も早くから会社や学校へ通っているわけですよ。

これは、本当に、すごいことです!
もっともっと自分を褒めるべきです!

この、朝の戦いに、
日々勝利している勇気とパワーがあれば、
やれ経済不況だの、地球温暖化だの、
師走だの、期末テストだの、わがまま上司だの、失恋だの、
そんなものは、柴犬はなさんの、抜け毛同然。

ぱっぱとはらって、
笑い飛ばしてしまいましょう!

すみません、訳わからんことを言って(笑)。

みんな、ファイト!


(撮影データ=GX100)

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 近況愚写録 

地球外生命!
(2010年12月2日)

komurasakihokori

twitterで超好評だった、粘菌宇宙人説の写真(笑)
その、正体は、コムラサキホコリ



あの、NASAが、日本時間12月3日午前4時から、
地球外生命についての会見を行うのだとか!

もし、地球外生命、もしくは、
生物生存のあきらかな証拠が発見されたのであれば、
これは、人類の歴史の上でも、超々画期的なニュースですよね。

瀕死のオバマ政権が、
Wikileaks問題を埋没させるべく仕組んだネタ、
という、すさまじい説もありますが……(笑)。

まあ、会見を待ちましょう。

NASAのおっさんたちが、のどに手刀を当てて、
「ワ・レ・ワ・レ・ハ・ウ・チュ・ウ・ジ・ン・ダ」
ってやってくれるなら、
それはそれでオーケーよん(笑)。

そして、もちろん、今日も、
「ほぼ日刊イトイ新聞」
「阿寒きのこの森」は、
更新されておりますです。


(撮影データ=D300)

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 近況愚写録 

開設9周年!
(2010年12月8日)

shibainu hanasan

はなさんはいつもおんなじ場所で日向ぼっこをするので
いつもおんなじような構図の写真になってしまう……



John Lennonさまの命日であり、
太平洋戦争開始の日でもある、本日、12月8日、
「浮雲倶楽部」は、開設して9年を迎えました。

飽きやすく何事も長続きしない性格のぼくが、
ウェブサイトなんていう酔狂なものを、
9年も続けているなんて!

これもまあ、見てくれる人がいるからで、
皆さま、本当に、ありがとうございます。

今年も、いろいろな出会いがあり、
嬉しかったこと、腹立たしかったこと、
悲しかったこと、楽しかったこと、
いろいろなことがありました。

その中で、嬉しかったこと。

今年は、
写真と文章、それぞれあこがれの人に、
お会いしたどころか、じっくりとお話できたうえに、
写真と文章、それぞれあこがれの人に、
なんと、なんと、褒めてもらっちゃったのでした。

きゃお!

写真のあこがれの人は、水越武さん
文章のあこがれの人は、糸井重里さん
(糸井さんとは、昨年の暮れにもお会いしてますが……)

お二人にいただいた言葉を思い出すだけで、
あと3年くらいはハッピーでいられるぜ(笑)!
頑張るぞお。

ま、何はともあれ、
ご覧のみなさまにおかれましては、
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。


そして、もちろん、今日も、
「ほぼ日刊イトイ新聞」「阿寒きのこの森」は、更新。
いよいよ、感動の、フィナーレ、ですぜ。


(撮影データ=GX100)

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 近況愚写録 

きのこの話題。
(2010年12月13日)

ashibeniiguchi

アシベニイグチ(2010年7月撮影)


今年、2010年11月11日から、

「ほぼ日刊イトイ新聞」

ではじまった連載、

「阿寒きのこの森」

は、12月10日に終了しました。

素敵なコンテンツにしてくださった、
糸井重里さんをはじめとして、「ほぼ日」の乗組員、
山下さん、茂木さん、ゆーないとさん、田口さんに、
改めてお礼を申し上げたい、と存じます。

ありがとうございました。

そして、もちろん、
ご覧頂いた読者の方にも感謝。
(ぼくも一人の読者として楽しんじゃいました)

ありがとうございました。

この「浮雲倶楽部」をご覧くださる方も、
以前よりずっと多くなりました。

で。
ご覧いただいた方々から、
いろいろなご意見、ご感想をいただきました。
今後の参考にさせていただきますね。

そうそう、今日の写真、
なぜ、アシベニイグチなのかというと、
「阿寒きのこの森」 の12月1日更新分、
「美しい湖畔に、破壊の天使」 中の、
シロヤマイグチのコラムに、
ご意見をくださった方が数人いらっしゃったから。

ーーーー(以下、引用)ーーーー

イグチは漢字で
「猪口」と書くようですが、
このきのこを見て
猪の口の形を連想します?
なぜそのような名前がついているのか、
よくわかりません。

猪口とは、きのこ全体を指す古語、
という説もあるみたいですが。

ーーーー(引用、終わり)ーーーー

お酒を飲む容器の「猪口(ちょこ)」に、
形が似ているからでは?
と、みなさん、同じ説でした。

なるほど!「ちょこ」か!

確かに「ちょこ」は、
きのこの形を象徴してますねえ。
あれ、でも、待てよ、ちょこの形は、
イグチに限ったことではないぞ……。

傘裏がスポンジ状みたいな管孔状になっているきのこを、
なぜ「猪口(イグチ)」と命名したのか、謎は残ります。

それはそうと、
上の写真のイグチは、傘が反り返って、
まさに「おちょこ」のような形をしてます。

ふふふ、きのこって面白いでしょ?

こんな感じで、いろいろな方々と、
きのこネタのお話をできるといいですねえ。
結論なんぞ、出さなくてもいいんです。

ほぼ日に連載された「阿寒きのこの森」
また、この「浮雲倶楽部」を見て、
きのこ、そして、粘菌に興味を持った、
という方もけっこういらっしゃるようです。

嬉しいなあ。
ついに、きのこ・粘菌の時代が……(笑)。

と、いうことで、
きのこ、粘菌に目覚めつつある人達に、
ぼくの、超オススメ本をご紹介します。


きのこ博士入門 たのしい自然観察

きのこ博士入門 たのしい自然観察
根田 仁 / 伊沢 正名
(全国農村教育協会)


きのこ (新装版山溪フィールドブックス)

きのこ (新装版山溪フィールドブックス)
本郷 次雄 / 伊沢 正名 / 上田 俊穂
(山と溪谷社)


粘菌 驚くべき生命力の謎

粘菌 驚くべき生命力の謎
松本 淳 / 伊沢 正名
(誠文堂新光社)


(撮影データ=D300)

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