近況愚"写"録

阿寒岳、早朝の25分間。
(2007年 3月10日 土曜日)

月は、2月の「ほぼ満月」の時、
手前の雄阿寒岳の、頂上やや右の辺りへ沈んだのに、
(2月7日の「愚”写”録」をご覧ください)
ひと月で、これだけ沈む方位がずれるんですねえ。

日の出前から日の出後、およそ25分間の、
雄阿寒岳、左手奥にある阿寒富士と雌阿寒岳、
そして、西の空の、色の変化をご覧あれ。
(多少の画角変化は我慢してね)

sogakudai
午前5時40分。
およそ10分後に、後ろから、太陽が昇ってくるはず。


sogakudai
午前5時52分。
頂上付近の雪が赤く染まったところで、シャッターを切る。


sogakudai
午前5時57分。
雄阿寒岳も、阿寒富士&雌阿寒岳も、共に真っ赤になった。


sogakudai
午前6時4分。
太陽の光は、赤からオレンジへと変化しつつある。

(撮影データ=4枚共通=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)




近況愚"写"録

ほぼ満月の夜に、雌阿寒岳登山。
(2007年 3月5日 月曜日)

釧路沖に発達した低気圧があり、
強い東風が、断続的に吹き続けていた。
アカエゾマツの樹林帯を抜けると、さえぎるものがなくなり、
前日に降った雪が、舞い上がり、巻き上がりして、
容赦なく身体にぶつかってくる。
幸いなことに、雲も、風が飛ばしてくれたようで、
月見をするには、ベストコンディション。
風上に背を向け、小さくなり、
山を正面に見る位置で、月の出を待つ。
気温マイナス10度、風速は、多分、15m/s以上。

setsuen
雌阿寒岳の森林限界、4合目付近。
強い東風に吹き飛ばされた粉雪が、
沈みゆく太陽に赤く染められた。

fuppushi
限りなく満月に近い月が昇りはじめた。
フップシ岳方面を撮影するも、まるで昼間のよう。

orion
明るい月が空を照らしているので、
長時間露光をしなくても、
オリオン座を撮影することができた。
(画角ギリギリだけど)

meakandake
月明かりに照らされた雌阿寒岳。
ものすごく強い東風が吹いていたので、
噴煙も、ほぼ真横に流れている(右上)。

moon
「新」噴火口と、ほぼ満月。
太陽の場合と同じく逆光撮影なので、
フレアが出てしまった。

kareki
森林限界付近には、
立ち枯れたマツの木がたくさん。
ハイマツは、雪の下に隠れている。

最後に、雌阿寒岳冬季登山の注意点を。
斜度があるので、登りはスノーシューが便利です。
(ツボ足・ラッセルでの登山はきっと不可能)
ルートは、ほぼ夏道をたどるようにしましょう。
アイゼンを必ず用意しましょう。
(4合目から上で、必ず使います)
4合目付近から「大沢」の中を行くのは、快適なのですが、
雪崩の巣なので、くれぐれも注意しましょう。
9合目から上は、強風に特に注意しましょう。
できれば、上級者、または、プロと同行しましょう。

(撮影データ=6枚共通=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)




近況愚"写"録

何か変だぞ、屈斜路湖。
(2007年 2月27日 火曜日)

swan


kussyaroko
(撮影データ=2枚共通=D70・12〜24mm・RAWからJPGに変換)

最近、口をひらけば、異常気象、
つまり、暖冬の話題になってしまう。

先日も書いたけど、今年の屈斜路湖は、
ことさら、すさまじいことになっている。
いつもなら、全国有数の、
立派な御神渡りが見られるはずの湖面が、
一部、薄氷が張っているほかは、
ほとんど氷結していない。
えらいこっちゃ。

砂湯の前には、例年通り、
数多くの白鳥が飛来し、羽を休めている。
しかし、そこで見られる風景は、
例年通り、なんかではぜんぜんなく、
2月下旬だというのに、氷が張ることなく、
晴れ上がった空を映した青い湖水が、
見渡すかぎり、ずっと広がっている。

また、和琴半島では、
強風で岸辺近くに集められた薄氷が、
瓦みたいに重なりあっていて、
これって、やっぱり、普通なら、
秋とか春に見られそうな現象だよなあ。
(夕方、日が暮れるまで待って撮影したかったなあ)

沖合いでは、まだ、氷が強い風にあおられていて、
エコーをかけたようなシャラシャラという音が、
辺りに響きわたっていた。

それにしても、これから迎える、春や、夏には、
いったい、どんな環境の変化が待ち受けていることやら。
なんか、ちょっぴり、不安。




近況愚"写"録

わがまま、きまま、流氷くん。
(2007年 2月24日 土曜日)

今年は、暖冬のせいもあってか、
流氷がやってくるのも、例年に比べて、遅かった。
インターネットで、海上保安庁の流氷情報を調べると、
紋別や網走から知床半島先端まで、オホーツク海を、
流氷がびっしり埋め尽くしている。
ようやく、機は、熟した(笑)。

できることなら、太平洋側に出て、
流氷の海から昇る太陽の写真が撮りたかったのだけど、
東に海がひらけている野付半島や羅臼には、
まだ流氷が来てない、と、いうか、来る気配もない。

だから、男が、流氷を見るためには、
流氷びっしり(のはず)の、
北の果て、オホーツク海は、番外地・網走方面へと
車を走らせるしかないのである。
ル〜ル、ルルル〜。

阿寒湖畔を、午前3時半に出発。

網走港付近。
ありゃりゃ、流氷がないぞ。
でも、まあ、陸から200mくらい沖合いには、
白い氷の帯が見えている。
はい、網走、通過。

北浜へ。
男は、オホーツク海を見渡せる北浜駅のホームに立ち、
コートの襟を立て、深いため息をつき、
背を丸めてタバコに火をつけ、
流氷があるはずの暗闇に、目を凝らすのだった。
風がむせび泣き、寒さが身と心に突き刺さる。
ヒュルリ〜、ヒュルリララ〜。
(この表現、著作権違反になるのかな?)

辺りは、真っ暗闇……。
サングラスを外すの忘れてる(笑)!
時間は、まだ、午前5時を過ぎたばかり。
外しても、やっぱり、真っ暗闇なのであった(笑、笑)!!
(すんません、「北浜」の項、ほとんどフィクションです)

目だけではなく、耳もこらすと、波の音が聞こえる。
ということは、流氷はなし!
さらに、移動。

止別(やんべつ、と読みます)へ。
まだ真っ暗だけど、止別川の河口橋へ行き、
カメラと三脚をかついで、
スノーシューをはいて歩き出す。
50mくらい歩いて、釧網本線の線路から海を見ると、
やっぱり、白い帯は、沖合いにある。
あわてて、車に戻る。

流氷、あることはあるけど、
岸から微妙に遠いじゃん!

時間は、午前5時45分を過ぎた。
空にはまだ、北斗七星やオリオン座が輝いているものの、
東の空が明るくなってきてしまった。

日の出は、6時10分過ぎくらいのはずなので、
流氷から昇る朝日の撮影はあきらめ、
知床方面へ向かって走りつつ、どこでもいいから、
岸辺に流氷が接岸している場所を探すことにする。

国道244号を、斜里に向かって、東へ。
斜里岳と海別岳のちょうど真ん中あたりが、
薄いオレンジ色に変わりはじめている。

知床半島の付け根に入り、進路が北に向かったあたりで、
斜里岳の鋭角的な頂上が、みるみる赤くなっていった。

こうなりゃ、あせっても仕方がないので、
いつも行ってる峰浜キャンプ場で撮影することにする。
ったく、いつものことながら、ドタバタするんだよなあ。
流氷くん、わがままで、きまぐれなんだから。


ryuhyo
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

日の出の時間は過ぎているけど、
東側(つまり、後ろ)に海別岳とそれに連なる山々があるので、
太陽が顔を出すまで、ゆうに30分以上はかかった。
西の空の色と、海に映る空の色が、たまりません。


ryuhyo
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

前述の理由により、沖合いから、陽が当たりはじめる。
後ろに太陽があるのに、遠く前の方から「朝」がやってくる。


ryuhyo
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

宇登呂の街の先の、ちょっとした高台から望む。
オホーツク海を、たくさんの氷が埋め尽くしていた。
本当は、これを間近に見たかったんだよなあ。


ryuhyo
(撮影データ=D70・12〜24mm・RAWからJPGに変換)

流氷に、蓮氷。
氷ひとつとっても、いろいろな形状がある。
エイリアンやペンギン、アザラシ以外は、氷の上を歩くと危険。


ryuhyo
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

と、突然、目の前に、エイリアンの団体が出現(笑)。
にこやかな顔で写真を撮り合ったあと、水の中に消えていった。


renzan
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

流氷と、知床連山。
右端の堂々たる山が羅臼岳で、左端が硫黄山です。
いかにも、冬の知床っぽい風景(笑)。
まあ、これが見たくて、毎年、知床へ通ってるわけですが。




近況愚"写"録

塘路湖の御神渡り。
(2007年 2月19日 月曜日)

omiwatari


omiwatari


omiwatari
(撮影データ=3枚共通=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

だらだら掲載しておりますが、
釧路湿原方面遠征写真の、第3弾、です。

御神渡(おみわた)り、と言えば、
長野県の諏訪湖が有名ですが、
もちろん、北海道でも見ることができます。

たぶん、北海道で、いちばん有名な御神渡りは、
屈斜路湖にできるやつで、ぼくも、
いつもなら、屈斜路湖へ見に行くのですが、
(阿寒湖でも、たまにできますが、今年は未確認)
暖冬の今年は、今現在、全面凍結しておらず、
(過去最も遅い全面結氷記録は、2月25日だとか)
残念ながら、まだ、見ることができません。

で、その、御神渡りを求めて、出かけた先が、
釧路湿原の中で、最大の湖・塘路湖、です。
(夏はカヌー、冬はワカサギ釣りが楽しめます)
今年は、大小2本(?)の御神渡りがあるそうで、
姿は小さいながらもアクセスが楽な、
キャンプ場付近の御神渡りへ、GO!

それが、まあ、怖かったのなんの、南野陽子。
まあ、御神渡りができるくらいだから、
その周辺は、氷の状態が、不安定なわけ。
しかも、しかも、夜明け前の、
ぐぐっと気温が下がる時間帯なので、
氷の動きが、実にまあ活発で、
ギイギイ、キュウキュウ、グウグウ、ガリガリ、
と、ずっと、音が鳴っているのさ!

何より、ときおり、ビシビシッと大きな音がして、
足下の氷に、でっかい亀裂が入る恐怖!ね。
三脚を構えて、中腰になっている足下の氷が、
突然、大きな音ともに、割れるんだから、あんた!!
あんたって誰だ(笑)?

omiwatari
<ぎょ、ぎょえ〜っ!撮影していたら、足下の氷が割れたあ!!>
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

まあ、氷の厚さは十分あるので、
ざぶん、と落ちるとは思えなかったけど、
足の間の氷が割れて股裂けになる姿を想像して、
思いっきりビビってしまって、
ずっと心臓バクバク、大和田獏状態さ。

後からやってきたワカサギ釣りのおっさんも、
ビシビシ割れる氷に、思いっきりビビッていたぞ!
ははは、同類だあ!!

さてさて、最後の最後に、
御神渡りができる仕組みを簡単に説明します。

1 湖が全面結氷する               
2 夜中に気温が下がり氷が収縮して亀裂が入る   
3 亀裂の隙間の水面に薄氷が張る         
4 日中に気温が上がり氷が膨張する        
5 両側から圧力がかかって薄氷が割れてせり上がる 

と、これを何回も繰り返し、
立派な立派な御神渡りができるわけです。
昼夜の気温差があった方がいいみたいですね。

水は、凍るとき、膨張しますが、
一度凍ってしまうと、今度は、
冷えるほど収縮する特徴があるのですね。
これは、覚えておきましょう。
きっと試験に出ます!
(何の試験だよ?)

余談ですが、この、
衝突、隆起、沈降を繰り返す御神渡りは、
プレートテクニクスのミニチュア版と考えられ、
地震発生メカニズムの研究にも活用されているとか。




近況愚"写"録

セピア色の朝。
(2007年 2月17日 土曜日)

diamond dust
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

冷えた日の朝、氷結した阿寒湖に立つ。
雄阿寒岳の麓から、ゆっくり太陽が昇ると、
空気中の水分が氷結して、キラキラと輝きだす。
ダイヤモンドダストだ。
阿寒湖畔では、そろそろ、最低気温が、
マイナス20度を下回ることが少なくなる時期なので、
(今年は、暖冬で、そもそもあんまり寒くなかったけど)
晴れた朝の風物詩・ダイヤモンドダストも、
そろそろ見納めかもしれない。




近況愚"写"録

元・幻の釧路ラーメン。
(2007年 2月15日 水曜日)

syoyu

shio
(撮影データ=D70・12〜24mm・JPG・2枚共通)
上・醤油ラーメン、下・塩ラーメン


札幌ラーメンや、旭川ラーメンなどに比べると、
釧路ラーメンは、味のバリエーションが少ない、というか、
魚系プラス鶏ガラ系のすっきりしたスープに細麺、
と、いった感じで、おいしい、と評判の店の味は、
けっこう似通っているように思える。

で、あるからして、
「釧路ラーメンのおいしい店を教えて」
と、聞かれた場合と、
「釧路でおいしいラーメン屋さんを教えて」
と、聞かれた場合では、当然、答えは異なる。

ちなみに、現段階なら、最初の質問には、
「河むら」「まるひら」「むかし屋」、
2番目の質問には、
「魚一(魚醤ラーメン)」「やはた(白糠町だけど)」、
と、答えるかな。

ところが、今回使った写真は、
上記のいずれの店のラーメンではなく、
「真澄」の、醤油ラーメンと、塩ラーメンです。

「真澄」は、釧路市内と阿寒湖畔のほぼ真ん中くらい、
旧阿寒町の、すっげえ山の中にあって、
日本一辺鄙な場所にあるラーメン屋と言われている。
(うそです、とまでは、言い切れないんだな、これが)

阿寒湖にいて、ラーメンの禁断症状が出ると、
車を1時間弱走らせて、「真澄」に駆け込み、
醤油、塩、両ラーメンを食べて発作を押さえているのさ。
(だいたい、2週間に1回は行ってる)

味は、先に言ったように、
いわゆる、典型的な釧路ラーメンなんだけど、
澄みきったスープは、芸術的ですらある。
そのスープを心ゆくまで堪能できる塩ラーメンは、
ドイツの塩とか、瀬戸の粗塩とか、
4種類の塩の中からセレクトすることができ、
(もちろん、おまかせブレンド、もある)
塩によって、ラーメンの味が、
全然違うことに、気付かされるのでありますよ。

阿寒町にあった、幻の釧路ラーメンの店「真澄」は、
阿寒町が、合併して、釧路市になったので、
名実ともに、完璧な、釧路ラーメンの店になったのでした。

うまい!おかわり!!




近況愚"写"録

遠征シリーズ、第2弾。
2007年 2月13日 火曜日

narawara
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

全然寒くない、というのは、
いつもの年に比べてのハナシで、
野付半島で、しかも、真冬に、
日の出前から砂浜に立っていれば、
やっぱり、思いっきり、寒いのさ。

立ち枯れたナラの木を見ていると、
うら寂しい感じがしないでもない。
で、日本画的(笑)に仕上げるべく、空と雪を、
思いっきり飛ばすように撮影してみたのだけど、
なんか、イマイチだったかも。


sunrise
(撮影データ=D70・100〜300mm・RAWからJPGに変換)

水平線に雲があったので、
厳寒期特有の、ひしゃげた太陽に、
お目にかかることはできなかった。
まあ、これはこれで、
太陽の中心から広がる光のグラデーションが、
なんとも美しいでしょ。
この、派手な色と、単純な構図(笑)。
これも、日本画的手法なのだ(笑、笑)。
よく見ると、水平線辺りにある波が、
つぶつぶになって、蜃気楼的に、宙に浮いてる。
ああ、寒っ!



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