羅臼岳〜硫黄山縦走
(羅臼岳標高1661m、硫黄山標高1562.5m)


北海道の数ある山のなかで、ぼくが好きなのは、
日高山脈、大雪山、そして、知床連山である。

今年(2004年)の夏現在、知床は、
ユネスコの世界自然遺産への登録が、
ほぼ決まり、の状況にあるのだが、
決定後は、相当数の人が押しかけると思われるので、
静かなうちに、ぜひ登っておきたかった。
とはいえ、羅臼岳は「日本100名山」のひとつ、
とされているので、北海道の山々の中では、
登山者がかなり多い方なのだが。

岩尾別温泉から羅臼平を経由して、
知床連山の中で、ひときわ高く、大きい、羅臼岳へ。
ゴツゴツした大岩が積み重ねられた頂上付近は、
見るのも、登るのも、ただただ圧倒されるばかりだ。

最終的な目的地の硫黄山へは
知床半島の背骨とも言うべき稜線上を、
けっこうきついアップダウンを何度も繰り返しつつ、
相対的には、やや登り気味に進む。
羅臼平から、三ツ峰の鞍部を越えて、下り、
サシルイ岳を越え、また下り、
やや低いオッカバケ岳を越えて、またまた下って、
ようやく、キャンプ指定地の二ッ池に到着。

二ッ池から先も、厳しいが、絶景の連続だ。
南岳を越え、知円別岳の直下を通り、
馬の背のような細い稜線を辿りつつ、
さらに何度かのアップダウンに耐えると、
ようやく、目的の硫黄山にたどり着ける。

右手に、太平洋と国後島を眺め、
左手に、オホーツク海を眺め、
行く手は、広大なお花畑……。
この縦走は、雨だと、悲惨以外の何ものでもない。

お盆の時期だと、シレトコスミレなどが咲き乱れる、
花の最盛期は過ぎてしまっているが、
それはそれで、別の特典が待っている。
広大なお花畑は、果物(?)畑と化し、
やや完熟前で、ちょっと酸っぱいのであるが、
ガンコウランやコケモモやクロマメノキなどの実が、
疲れた身体に、活力を与えてくれるのである。
(これを目当てに、クマさんも、多数訪れる)

硫黄山の下りは、沢地形、ハイマツ帯、
その名の通りの、硫黄が吹き上げるがれき帯、
そして、樹林帯と、変化に富む。
その気になれば、最後の最後で、あの有名な、
カムイワッカの滝に下りることも、
まあ、オススメはしないけど、できないこともない。


ちなみに、
8月のお盆前後は、知床五湖〜知床大橋間の、
マイカー規制が実施されているので、
羅臼岳から硫黄山へ縦走するには、
バスの利用が不可欠になるので要注意。
さらにいうと、1泊2日で縦走するには、
バスの時間の関係もあり、
硫黄山〜羅臼岳のルートは、一般的ではない。

道中、クマさんの、足跡や、
できたてほやほやうんこを目撃したのだが、
下山して、岩尾別温泉行きのバスに乗った瞬間、
(時間に間に合わせるべく、最後は走った!)
目の前をクマさんが駆け抜けたのであった。
さすが、知床。


(2004年8月12日〜13日)



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