近況愚写録 

初夏の東北ふらふら旅 その3
・・・八甲田山編・・・
(2009年7月6日)

八甲田山は、大雪山とおなじく、
いくつかの山があつまった山塊の総称だ。
(八甲田というくらいだから8つ)

数年ぶりに、「八甲田山の最高峰」大岳へ。
コースは、酸ケ湯〜仙人岱〜大岳〜毛無岱〜酸ケ湯。
期待していた湿地帯の花はやや盛りを過ぎていたけど、
お天気にも恵まれ、楽しい1日でした。

hakkoda

おなじみ、チングルマ。
奥に見えるのが、これから登る大岳。


hakkoda

大岳への登山ルートはいたるところに雪渓が残っていた。


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数人の先行者を抜いてきたので、大岳の頂上を独り占め!
ぐるり、と周囲を見渡すと、何というか、
青森県の8割くらいは視界に入る感じがする(笑)。
すばらしい展望台だ。


hakkoda

正面に見えるのが井戸岳。
麓にすごくきれいな避難小屋がある。


hakkoda

太陽にそっぽをむくイワカガミと、
太陽を見上げるチングルマ。
上毛無岱ではまだまだ花が見られた。


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高層湿原の花々を楽しむ団体客。


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上毛無岱から下毛無岱を見下ろす。
秋の紅葉の時には、湿原全体が赤く染まり、
この世のものとも思えない絶景になる、らしい。

ちなみに、湿原のまわりを取り囲む針葉樹は、
オオシラビソ=アオモリトドマツだ。


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池塘のほとりに咲くミツガシワ。


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まさに綿になったワタスゲと大岳。


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さて「本日の温泉」は、八甲田温泉。
露天風呂は硫黄系の匂いがする青白系のお湯で、
内風呂はアルカリっぽい黄濁系のお湯。
両方とも、熱々の源泉掛け流し。
建物は少々くたびれているけど、お湯は、いい。

かれこれ十回以上は入っているけど、
有名なラムネ風呂(炭酸が強い)は、
女性側にあるので、未だに入ったことがない。

そして、東北の旅は、まだ、つづくのだ……。


(撮影データ=10枚=GX100/JPG)

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 近況愚写録 

初夏の東北の、粘菌。
(2009年7月13日)

さて。

お待たせしました!

と、言ったところで、
待っていた人はあんまり多くない、
というか、きっと、ほとんどいないだろう、
と予想される、粘菌写真。

しかししかし、「浮雲倶楽部」では、
これこそ、メインコンテンツですから(笑)。

白神山地でうろうろする予定が、
行く手を、わけのわからん道路工事にはばまれ、
なかなか思い通りに行かなかった、今回の東北遠征。

それでも、
目を粘菌モードにすれば、
あっちこっちに、粘菌くんの姿が!

白神山地、八甲田山系で撮った、
愛しき粘菌くんの写真をお目にかけましょう。


図鑑を持ってくるのを忘れて、
ほとんどの粘菌くんの名前がわかりません(涙)。
あしからず。


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ムラサキホコリ


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エダナシツノホコリ


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(撮影データ=8枚=D300/RAWからJPGに変換)

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 近況愚写録 

初夏の東北ふらふら旅 その4(最終回)
・・・青森ミステリースポット編・・・
(2009年7月15日)

今日も、雨降り。

7月も半ばだというのに、最高気温は15度前後。
フリース無しでは過ごせない日々が続く。

関東にお住まいの皆さま、一点、猛暑を除けば、
梅雨明け、羨ましゅうございます。

阿寒湖の夏は、果たして、いつ、始まるの?
(きのこには、超グッドコンディション間違いなし!)

と、書き出しつつ、
話は、また、八甲田山中へと戻るのだった(笑)。

阿寒湖周辺の、きのこ・粘菌の写真や、
先日訪れた、東大雪のユニ石狩岳、
日高山脈の伏美岳、その周辺の川、などなど、
ご覧いただきたい「近況」の写真は、たくさんある。

しかし、しかし、
北海道上陸前に訪れた、
この、青森が世界に誇るミステリースポット!
の話を書かないことには、
何となく落ち着かないんだよなあ……(笑)。

さて。

日の出とともに蔦沼周辺へ。
粘菌大爆発に遭遇し、大満足で蔦温泉にもどる。
時計を見ると、まだ、午前8時前である。

八戸発苫小牧行きのフェリーの出港時間は、22時。
時間は、たっぷりある。

これから何をするか?

八戸へまっすぐ向かって、
街を気まぐれそぞろに歩きつつ、
おいしい海の幸をたっぷり食べて、
ゆっくりゆったり温泉につかって、
そして、何より、久しぶりに、本屋へ……。

さらには、八戸市役所周辺をぶらぶらするなら、
どこぞのネット投票で世界一美しい政治家に選出された、
美人すぎる市議こと、えりちゃん?まりちゃん?ゆりちゃん?
の、ご拝顔の栄を賜る機会もあるかも!

と、いう、実に、
安易、かつ、魅力的な案が頭をかすめたのだが、

青森、と言えば、ピラミッド!

青森、と言えば、キリストのお墓!

そう、八甲田から八戸へ向かうにあたり、
時間がありあまっている現状を考えれば、
これら二つの、超々弩弓世界遺産級スポットを抱える、
新郷村を無視するわけにはいかない。

いざ!

奥入瀬渓流を眺め、十和田湖を眺め、
スーパージムニー2号は、
一路、新郷村へ、GO!GO!!

nenkin

ね、ね、ウソじゃないでしょ!
国道の行き先表示?にも、
ちゃんと「キリストの墓」「ピラミッド」の文字が。


nenkin

ピラミッド入口だ!
ワクワク!


nenkin

ん?
神社?ピラミッド?


nenkin

ふ〜む、なるほど……。
(突っ込みどころ満載の説明ですな……)


nenkin

これが、ピラミッドの「頂点」でございます。


nenkin

この、実に分かりにくい案内図によると、
600m先に、もうひとつのピラミッドらしきものがあるみたい。

当然、そちらにも、行ってみることにする。

しかし、なぜ、亀がピラミッドの頂上で、
1番の旗を持っているんだろう?
ウサギの姿もある、ということは、
もしかしたら、ここは、
あの有名なイソップ寓話「ウサギとカメ」の
舞台となった場所でもあるのか(笑)?

ま、その可能性は、十分、あり得るわな。
だって、ここは、新郷村だもん(笑)。


nenkin

案内図通りに進むが、辺りに、それっぽい入口はない。
林道の途中に、かつて何かがかいてあったらしい真っ白な看板と、
じぐざぐに登る道があったので、行ってみる。
10分くらい登ると、頂上、というか、稜線の上に出た。

そして、巨岩が重なった、見晴らしのいい場所が……。
これがもうひとつの「ピラミッド」かな……?
(右側の岩のくぼみには、お賽銭?も置いてあるし)

はい、お疲れさまでした。
次、行ってみよう!


ピラミッドに別れを告げ、
今度は、キリストの墓を目指す。

ふと、iPodをとめて、カーラジオをつけると、
マイケル・ジャクソン死亡のニュースが飛び込んできた。

別に、それほど特別に好きだったわけではないが、
その昔('92年だったかな)東京ドームで行われたライブを観てるし、
何と言っても、80年代の音楽をこよなく愛する者としては、
マイケル・ジャクソンの存在は、欠かすことができない。

再びiPodのスイッチを入れ、
マイケル・ジャクソンの大傑作、
と、いうか、
世界のポップス史上燦然と輝くアルバム「Thriller」を聴く。

ちなみに、「Thriller」のプロモーションビデオは、
今なお、完成度、質、ともに、世界最高の座を誇る名作だと思う。

ふぉ〜。

そして、いよいよ、キリストのお墓へ。


nenkin

ふ〜む……。


nenkin

キリストのお墓。


nenkin

キリストの弟、イスキリのお墓。


青森、新郷村、恐るべし。


(撮影データ=10枚=GX100/JPG)

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 近況愚写録 

大雪山系トムラウシ山遭難についての、雑感。
(2009年7月19日)

mizugokenohana

ミズゴケノハナ


まず、今回、トムラウシ山、
また、美瑛岳で亡くなった方に対し、
哀悼の意を表したい、と思います。

この数年、ぼくは、北海道で、
アウトドア系業務にも従事しているわけで、
今回の、トムラウシ山での「史上最悪」の遭難は、
決して他人事ではありません。

こういう大惨事は、往々にして、
「超絶神域雨男」が近くに出没する!など、
想定外の超自然的状況に遭遇するとか、
または、
予想可能な出来事ではあるけど、
それが同時多発的に発生するなど、
「普通」ではない状態の時におこると思われがち。

でも、あとからきちんと検証すると、
多くの場合は、想定範囲内の出来事で、
言い換えれば、
自然災害というより、
人災である可能性が高いことは否定できません。

今回の遭難の報道を見て、唯一、最悪だったのは、
参加者がばらばらに行動してしまったこと。
(たくさんの犠牲者を出してしまった要因)

いかなる理由があろうが、
これは、完全に、ガイドの責任です。

北海道登山ツアーの多くは、
日程的余裕がまったくありません。

だから、もし、停滞なんぞしようものなら、
「さらに会社を休まなければならない」
「帰りの飛行機に乗れない」
「家族と連絡がとれない」
と、いったことが頭を去来し、
そうなると、天候や体力をしっかり考慮しつつ、
「正しい」判断を下すことは、けっこう難しいかもしれません。

たくさんのお金と労力と時間をかけて、
わざわざ、来ているわけですからねえ……。

個人ではなくツアーだったらなおさら。

経験上、ツアー参加者が上級者であればあるほど、
ガイドの判断に口を挟むような、
わがまま一匹狼が増えるんですよね。

ぼくは、北海道の山しか知りませんが、
トムラウシ山や、幌尻岳は、
気軽に登れる山ではありません。

どの登山ルートも行程が思いっきり長いうえに、
エスケープルートは一切なし。
天候はいつも超不安定で、夏でも寒い。
いわゆる「山小屋」なんて便利なものもありません。
(避難小屋に泊まることを前提にするのは危険!)

北海道の山に登るなら、
常に「冬山」相当の防寒対策が必要です。
気候的に、北海道の山には「夏」はありませんから。


7月8日に、大雨、強風、低温と、
最悪のコンディションで、
大雪山系ユニ石狩岳へ登ったのですが、
買ったばかりのゴアテックスのレインウエア、
ゴアテックスの登山靴に、ゴアテックスのロングスパッツ、
と、
頭のてっぺんから足の先まで、
全身をゴアテックスで完全武装したにも関わらず、
頭のてっぺんから足の先まで、乾いたところ一切なし、
全身ずぶぬれになりました。
(多分、汗が占める割合も相当大きいのですが……)

大雨が降っているときに行動するなら、
ゴアテックスとか何とかなんて関係なしに、
どんな対策をしようが、ずぶぬれになるのが大前提。

そのうえで、寒さから身を守りつつ、
いかに体調を維持するかが重要なんですね。

このときは、ルートが比較的楽だったので、
ゆっくりゆっくり歩き続けることが、寒さ対策でもありました。

下山したら、すぐさま着がえて、
暖かくておいしいものを食べて、
温泉に入ったのは言うまでもありませんが。

もし、歩けないほど疲れてしまった場合や、
ビバークを余儀なくされる状況になってしまった場合は、
持参しているテントかツエルトにもぐり込み、
乾いた衣類に着替え、暖かい物を飲みます。

濡れた衣類のまま停滞しても、
体力は回復しませんからね。

着替えに余裕がないなら、乾いた衣類をキープするため、
考えるだけでも実に恐ろしいことなんですが、
行動再開時には、再び濡れた衣類を着ます!

ぼくは、常日ごろから、
超絶神域雨男と行動を共にすることが多いため、
豪雨強風寒冷登山のエキスパート(笑)と言えるほど、
人よりも相当に、雨、風、寒さに痛めつけられています(涙)。

横殴りの雨になぶられようが、
テントの中まで浸水しようが、
最低1セットの衣類と寝袋だけは、
何が何でも乾いたままキープすること。

これだけで、快適さが、100倍違います。

北海道の山において、
人的原因で死なないためには、
ヒグマ対策をしっかりすること、
アラスカへ行くくらいのつもりで防寒装備をすること、
(大雪山の年間平均気温は、マイナス4度!)
天気予報に留意して荒天時には行動しないこと、
(濡れたら死んじゃう、くらいの意識で丁度いい)
を、心がけましょう。

北海道の山は、本当に、怖いですよ。

落石とか雪崩れとか、
気象以外の自然災害等に巻き込まれるのは、
運、としか言いようがありません。


最後に。

大変、重要な問題で、
言葉にするのもちょっと恐ろしいのですが、
驚愕の事実をここで公表します!

実は、今回のトムラウシ山での遭難事故当時、
「超絶神域雨男」が、北海道入りしてました。
しかも、
例のツアーより1日遅れの日程で、
トムラウシに向かって縦走していたのです!!

もう、本当に、ここまできてしまうと、
雨男なんて、生易しい呼称は使えません。
雨神さまとして、崇め奉りたい、と存じます。

ぜひ、その御力を世界平和のために……。


(撮影データ=D300/60mm/RAWからJPGに変換)

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 近況愚写録 

阿寒の森の、小さなきのこ。
(2009年7月21日)

hinanohigasa

ヒナノヒガサ


とにかく、今年の北海道は、
雨、雨、雨、の、雨ばかり。
7月の最初の1週間で、ひと月分の雨が降ったとか。
(感覚的には、ほとんど晴れ間なし)

ぴっかぴかの真新しいレインウエアを着込み、

「雨が怖くて写真が撮れるか!」

と、ハナ息も荒く、野山を駆け巡っていたのだけど、
毎回、毎日、必ずびしょ濡れになるので、
(もちろん、カメラもびしょびしょ)
いい加減、いやになっちゃったさ。

「この根性なしが!」

と、言われようが、とにかく、しばらくの間、
雨の日は、読書に勤しむことにした。
人生の基本は、何と言っても、晴耕雨読っすから!

しかしまあ、毎日、毎日、本当によく降るなあ……。

ちなみに、7月22日の日蝕は、
北海道では、確実に、見られないでしょう。
なぜなら、あの悪夢からまだ数日しかたっておりませんが、
雨神さまが再びご来道なされるからであります!

そして、ぼくは、神さまと、
日高の山へご一緒させていただくので、
しばらく、留守にします。


(撮影データ=D300/60mm)

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 近況愚写録 

阿寒の森の、粘菌(変形菌)。
(2009年7月28日)

murasakihokori

ムラサキホコリ


近況を語ると、雨のハナシばかり(涙雨)。
先日登ってきた、日高の山も、雨。
帰ってきた、阿寒湖も、雨。

いい加減にしてくれ〜っ!!

でも、何を隠そう、
阿寒の森は、お湿り続きで、元気一杯。
夏と秋のきのこが、同時多発!
そして、粘菌も、大爆発!

雨の合間に、森へ行くのが、楽しすぎる(笑)!


(撮影データ=D300/60mm)

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 近況愚写録 

小っちゃなきのこしか、愛せない(笑)!?
(2009年7月31日)

mizugokenohana

ミズゴケノハナ


今日で7月も終わり、だと言うのに、
阿寒湖には、まだ、夏が来てない!

本当に、本当に、よく降るなあ……。
ため息と、苦笑いの、毎日なのだ。

おっと!

いつの間に雨が止んだのか、
なんと、太陽が顔を出しているぞ!
青空を見るのは、何日ぶりだろう?
さあ、洗濯、洗濯(笑)。

昨日の夜は、曇りの予報だったはず!

と、思って、改めて天気ニュースのサイトを見ると、
晴れマークに変わっているぞ(笑)。

これじゃあ、まるで、後出しじゃんけんだ(笑)。

ずるい!

もちろん、天気を予想するのが、
どんなに難しいかは、なんとなく、想像できる。
(いわゆる、カオスとか複雑系って奴でしょ?)

でも、せめて、
「ゲタの天気予報」に負けないよう、
頑張っていただきたい、と存じます。


阿寒の森では、きのこ祭り真っ盛り!

猛毒から食用まで、
小っちゃいのからビッグサイズまで、
百”茸”繚乱、っす。

タモギタケはもちろん、
ボリボリ(早生)に、ホシアンズタケ(早生)でしょ、
いつもならまだ顔を出さないタマゴタケや、
ソテーすると超激ウマのヤマドリタケも発生。

早速、頂いております。
うんめえ!

でも、最近、写真に撮るのは、
もっぱら、大きさ1センチにも満たない、
小っちゃなきのこや粘菌(変形菌)ばかり。

どうしてだろう(笑)?


(撮影データ=D300/60mm)

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