近況愚"写"録

雨後の、きのこ
〜きのこばばあとの戦い〜

(2007年 8月5日 日曜日)

tamogitake

強風や豪雨を伴うわけでもなく、
「うさぎ」くんこと、台風5号が、
北海道をかすめるように駆け抜けていった。

前線が刺激されて、まる一日雨が降り続いたので、
森は、いい感じにしっとりして、緑が生き生き。
早起きして(というか、ぼくは、いつも早起きです)、
森を散策すると、タモギタケが大発生していた。
あっちの倒木、こっちの立ち枯れた木、そっちの切り株……。
まるで、黄色い電灯を灯したかのよう。

うきうきしながら撮影していると、
仲間うちでちょっと有名な、きのこばばあがやってきた。
手にした大きなビニール袋は、
すでに、タモちゃんでいっぱいだ。

「写真、撮ってるのお?」
「うん」
「それ、知ってるしょ、タモきのこ」
「うん」
「でもね、食べても、あんまりうまくないんだわ」
「……」

アホか、強欲魑魅魍魎きのこばばあ!
うまくないなら、そんなに山ほど採るな!!
(ぼくに採られたくないのがみえみえだ)

と、言いたいところだったけど、
いやはや、ぼくも成長した、というか、
大人になった、というか、まあ、
なんというか、話す気力もなくなって、
タモちゃんを根こそぎ採りつくしているばばあの背中に、
「はあ〜」
とため息をひとつついて、
その場を立ち去ったのでありました。
(こういうばばあは、助言も注意も無駄なんだよね)

せめて、ぼくらは、きのこを採るとき、
あんまり欲張りすぎず、「次」のことも考えたいですな。
ナイフを用意して「根っこ」は残す。
それと、コンビニのビニール袋なんかに入れずに、
竹の籠とかで持ち運ぶ。

きのこばばあのくせに、きのこへの愛が足りないぞ!
精神衛生上のことも含めて、
ゆっくり写真を撮るには、もっともっと早起きせねば!!

(撮影データD70/12〜24mm/RAWからJPGに変換)




近況愚"写"録

粘菌問題。
(2007年 8月1日 水曜日)

nenkin

いま、阿寒で目につくきのこは、
コケの中にひっそりと佇んでいる、
キミズゴケノハナとか、ナメアシタケとか、
オレンジ色が鮮やかな、ハナビラダクリオキンとか、
小さいやつばかり。

タモギタケとか、ホシアンズタケなど、
初夏に見られる、そこそこ大きいきのこは、
あんまり見かけなくなってしまいました。

はやく、きちんとした?大きいきのこを、
見たい、と、言うか、
触りたい(笑)!
手に持ちたい(笑)!!

きのこを探していると、ごく自然に、
コケとか、地衣類とか、粘菌にも目が向くようになりました。
すごく小さいけど、造形は面白いし、色はきれいだし、
こっちの分野?も、魅力たっぷりなので、困るなあ……(笑)。

で、この、最初の写真。
きのこ図鑑、コケ図鑑、地衣類図鑑には出ていないので、
粘菌?と、思うのですが、まったくわかりません。
(粘菌図鑑、すごく欲しいけど、高い!)
ご存知の方は、ぜひ、ご教授ください。


ちなみに、きのこを探して、森を歩いていたら、
羽化したばかりのセミを見つけました。
コエゾゼミ、です。

撮影しているわずかな間でも、
色がどんどん変わっていくんですよ。
最初ほとんど透明だったのが、
緑っぽくなって、やがて、茶色系に。

森の散策は、やめられません!

semi
セミの羽のアップ。
繊細なガラス細工のようで、なんとも言えない色ですな。


semi
ふと、気がつくと、「本体」が茶色がかり、
羽の緑が濃くなっている。


semi
ずっと見ていたかったけど、
あまりにもヤブ蚊が多すぎて、退散しました。
(根性ねえなあ!)

(撮影データ=4枚共通=D2X/105mm/RAWからJPGに変換)




近況愚"写"録

釧路湿原・達古武の夕焼け。
(2007年 7月28日 土曜日)

takkobunuma

「蝦夷梅雨」がついに明けたのか、
道東も、ようやく夏らしくなってきた。

仕事で、釧路湿原へ遠征。

夕方、宿泊先のキャンプ場に腰を落ち着け、
仲間たちと、しゃぶしゃぶをしながら、
酒を酌み交わしていると、みるみる空が焼けてきた。

じりじり肌を焼くような昼間の暑さが、
湖面をわたる風にのって、夜の入り口へ流されていく。

酒宴、一時、中断。
フリースを1枚着込んで、撮影タイム。
ときどき、シャッターを切るのを忘れて、
ぼ〜っと、西の空を眺めていることに気付く。

心地いい疲れ。
心地いい酔い。
心地いい気温。
心地いい眺め。
(でも、虫に、刺されまくり!!)

今年の夏は、あと何回、こんな夕焼けを見られるだろう?

takkobu
鏡のようになった沼に、もうひとつの空。
黒い雲の間に見える青空が、実に印象的。


takkobu
印象的な夕焼けには、雲は欠かせない。
もっともっと赤くなれ、と、心の中で、念じる。


takkobu
沼と空のぼやけた境界が燃えていた。
フトイのシルエットが、なかなかグッド。


takkobu
犬のしっぽに似てる、犬をじゃらして遊ぶ、
「犬ころ草」がエノコログサの名前の由来。


takkobu
日没直後。
空が本当に赤くなるかどうかは、これからが勝負なのだ。


takkobu
三脚を使わなかったので、ちょっとブレてるけど、
これがいちばん赤くなったときの色味。
左側の山は、たぶん、雄阿寒岳。


takkobu
夕方から夜へのグラデーションの空に、
ふと気付くと、金星が明るく輝いていた。

(撮影データ=7枚共通=D70/28〜105mm/RAWからJPGに変換)




近況愚"写"録

ぼっ、ぼっ、ぼくらは、阿寒探検隊!!
(2007年 7月20日 金曜日)

それまでの冷夏とは打って変わって、
朝から雲ひとつない、気持ちのいい快晴。
少しは夏らしくなったものの、
北東からの強い風が吹き荒れ、
阿寒湖は、波立ち、海のような様相なので、
相変わらず、仕事はヒマヒマなのである。

ぼ〜っとして、鼻毛を抜いていたら、がくが、
「すっげえ秘境があるらしいんです」
と、にこにこ顔。

なんでも、阿寒湖の周辺に、
きれいな水をたたえ、
美しいコケで覆われた岩が周囲を取り囲む、
ほとんど誰も行かないような(行けないような)沼があって、
道はまったくついていないけど、
車から下りて20分も歩けば到達できるのだという。

りょうも誘って、すぐさま出かけた(笑)。

がくは、自らの勘と体力を頼りに、
おりゃあ、おりゃあ、と突き進む、
典型的な「エイヤー星人」。

りょうは、地図とコンパスで常に自分の位置を把握し、
石橋を叩きすぎるくらい叩く「じっくり星人」。

二人が同行すると、
性格が相殺されて、理想的な同行者になる(笑)。

今の時期、道なき道を突き進むにあたって、
怖いのは、くまさんと、スズメバチと、ダニである。
(がくは、いま、脇と背中に、ダニを2匹飼っている!)

従って、たかが写真を撮るため、とはいえ、
体中に虫よけスプレーをぶっかけ、
頭にタオル、上下レインウエアを着込み、
首からくま撃退スプレーと鈴をぶらさげ、
腰には阿仁マタギの剣ナタ、の完全装備なのだ。
(いやあ、この格好、暑いのなんの……)

soubi
(D40/18〜55mm/JPG、がく撮影)

車を下りて、森に入る。
エゾマツ、トドマツを中心にした原生林で、
ときおり、ダケカンバも見られる。

胸まであるフキをかきわけて進み、
背丈ほどもあるクマザサの海に突っ込む。
時折、倒木に脛を打ち付けて、息もつけなくなる。
ササに付着している白い粉が飛び散り、
みるみる全身、真っ白になっていく。
ひ、ひえ〜。

あまりに笹藪がひどいので、地形図を確認して、
小さな稜線を進むルートから、
谷筋らしき地形へと、ちょっとだけトラバースする。
すると、すぐに、くまさんのお食事場を発見。
(たくさんのフキをお召し上がりでした)
これだけササが濃いと、
例え、くまさんがいても分からないな、と思う。

地形図から読み取れなかった急な傾斜をさらに下る。
20分くらい歩いても、肝心の沼は、なかなか現れない。
「がくが、20分、と言っても絶対信用できない」
と、りょうが言ってた通りの展開になっていく。
でもまあ、この沢を下りきれば、
きっと、目的の沼があるはずなのだ。

「うわ、もうダニがついてました」
「どこに?」
「ぼくの顔です」
りょうが嬉しそうに報告する。

ササを掻き分け、真っ白になって、歩くこと40分。
ようやく、沼に到着。
しかし、しかし、目の前に広がる風景は、
予想を大きく裏切り、何の変哲もない、
単なる普通の沼だったのでありました。

numa
(D40/18〜55mm/JPG、がく撮影)

numa
(撮影データ=D2X/28〜70mm/JPG)

帰りは、ずっと登り。
本当に、いやになるくらい、大変でした。
もうしばらくは、ササを見たくありません!

がくのばか!




近況愚"写"録

きのこの季節がやってきた!
(2007年 7月18日 水曜日)

nioiashinagatake

ゆっくり、きょろきょろ、
左右を見渡し、上下をチェック。
落ち着きなく、挙動不審、
歩みの速さは、スローロリス並み。
そして、時には、這いつくばって、
マニアック?なきのこを探します(笑)。

「うおっ」「ほっほ〜」などと奇声をあげ、
(お、何か、きれいなきのこ発見!)
にこにこ薄ら笑いを浮かべたかと思うと、
(しかも、写真を撮るのにいい状態だ!)
悪態をつきつつ、ぽりぽり腕や指先を掻いたり、
(ちくしょう!ヤブ蚊に刺された!)
大袈裟に「は〜は〜」言いながら呼吸をしたり。
(シャッターを押す瞬間は無呼吸ですから)

傍から見たら、本当に怪しげな行動ですよね。
でも、きのこ撮り(採り)は、やめられません(笑)。

この写真のきのこは、とにかく小さいんです。
傘の直径が、だいたい、5mmくらい。
下に生えている苔(エゾチョウチンゴケ)と、
比べてみれば、一目瞭然です。

帰ってから、写真をパソコンに取り込んで、
拡大してから、図鑑とにらめっこ。
そう、小さいと、名前を調べるのが大変なんですよね。
ま、それも楽しみのひとつなんですけど。

で、このきのこは、多分、
ニオイアシナガタケ、だと思われます。
まるで初夏のような、バックの優しい緑色は、
きっと冷夏のおかげですね。


nameashitake

(撮影データ=2枚共通=D70/105mm/JPG)




近況愚"写"録

旭川方面観光。
(2007年 7月15日 月曜日)

今年は、北海道入りしてすぐに、
ガイドの仕事で、大雪山方面へ1週間ほど遠征してました。
(トムラウシ山、旭岳、十勝岳〜美瑛岳に登りました)

で、十勝から富良野方面へ移動する間とか、
超絶神域雨男の新しい大技「携帯メール添付アメフラシ」による、
降雨攻撃で、やむなく登山を順延した折りに、
普段、あまり縁がない、旭川エリアの観光なんぞを、
楽しませていただきました。

なんせ、天気予報では、曇りときどき晴れ、のはずだったのに、
雨男から「明日雨を降らしてやる」というメールが来たら
本当の本当に、雨になっちゃったんですから!!
このHPでも何回も何回も書いていますけど、
この超能力には、本当に、言葉もありません。

ま、登山が、けっこうキツイ行程だったので、
休息、という意味で、雨を降らしていただいて、
感謝、感謝!なんですけどね。


tsutanuma
富良野観光の超定番、ファーム富田の畑。
手前がラベンダー、奥がポピーです。
(撮影データ=D70/28〜105mm/JPG)


tsutanuma
同じく、ファーム富田。
今年は、雨が少なくて、ラベンダーなどの成育がイマイチなのだとか。
(撮影データ=D70/28〜105mm/JPG)


hounoki
美瑛の丘陵地帯にある牧草地。
夕陽に牧草ロール?が輝いていた。
(撮影データ=D2X/28〜70mm/RAWからJPGに変換)


gudarinuma
多分、あの雲の下には、十勝連峰が隠されているはず。
雨は、昼で上がり、夕方には太陽が顔を出した。
(撮影データ=D2X/28〜70mm/RAWからJPGに変換)


tsutanuma
前田真三氏のギャラリー付近にある、その名も「哲学の木」。
斜めに傾いで立っているので、この名が付けられたらしい。
(撮影データ=D2X/28〜70mm/RAWからJPGに変換)


tsutanuma
太陽が沈んでからも、しばらく待っていたのだけど、
夕焼けは、思ったほどには、赤くならなかった。
(撮影データ=D2X/28〜70mm/RAWからJPGに変換)


hounoki
旭川観光と言えば、旭山動物園なしには語れない(笑)。
開演前からすっげえ数の人が並んでいて、
観光バスも、この日だけで、200台来る予定なのだとか。
「ペンギン館」「アザラシ館」「ホッキョクグマ館」は特にオススメ。
でも、動物園で暮らす「自由を奪われた」動物を見ると、
ちょっとだけ、心が痛むんだよなあ……。
(撮影データ=D70/28〜105mm/JPG)


tsutanuma
旭川へ行って、ラーメンを食べないわけには行かないのだ。
これは、旭川ラーメンの老舗・蜂屋さんの醤油ラーメン。
「超こってり」にしてもらったら、唇が1日中、ぬるぬるしていた。
(撮影データ=D70/28〜105mm/JPG)




近況愚"写"録

八甲田、緑の夏。
(2007年 7月11日 水曜日)

久しぶりの更新です。
皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
また、ぼちぼち、やっていきますので、
ま、ゆるゆるとお楽しみくださいませ。

さて。
いつもの夏だと、新潟からフェリーに乗って、
小樽か苫小牧から北海道へ入るのですが、
今年は、ちょっと趣旨を変えて、
スーパージムニー2号で、陸路をひたすら北上しました。

夏に東北を訪れるのは、実に、十数年ぶり。
安心できる、というか、
落ち着ける、というか、
北海道もいいけど、東北もいいなあ(笑)と、
改めて思うのでありました。


tsutanuma
蔦温泉周辺に広がるブナの森。


tsutanuma
目にも、心にも優しい、緑の透過光。


hounoki
しっかり成長しているホオノキの子ども。


gudarinuma
「観光地化」が進みつつある、グダリ沼の西端。

(撮影データ=4枚共通=D2X/28〜70mm/RAWからJPGに変換)

888氏tomiさん、お疲れさまでした。




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