近況愚"写"録

道東動物記。
(2007年 2月10日 金曜日)

釧路在住で、カヌーガイドをしているひげさんと、
釧路湿原、野付半島、羅臼へ遠征してきました。
そのとき、出合った動物や鳥の写真です。

エルニーニョが原因とされる世界的暖冬傾向は、
羅臼でも顕著で、ダウンジャケットなしでも寒くないし、
何より、思いっきり雪が少なくて、
(例年の5分の1くらいだとか)
いたるところで山肌が露出していました。
おまけに、流氷はまだ来てないし、
オオワシ、オジロワシの数も少ない、ときたもんだ。
ま、今年の北海道は、どこも、こんな状態ですねえ。

雪よ降れ!寒波よ来い!


ezofukurou
(撮影データ=D70・100〜300mm・RAWからJPGに変換)

ピッタリサイズのうろの中で、うつら、うつら、うつら。
時折、薄く目を開けて、辺りを見渡し、また、うつら、うつら。
エゾフクロウを見ていると、時間を忘れます。


umiu
(撮影データ=D70・100〜300mm・RAWからJPGに変換)

堤防を見たら、ヒメウがずらっと並んでいた。
尻尾(?)が長いからか、みんな、
後ろ向きになっているところが、なんとも笑える。


azarashi
(撮影データ=D70・100〜300mm・RAWからJPGに変換・トリミング)

強い風が吹き荒れる冬の太平洋。
ゴマフアザラシが、海からひょっこり顔を出した。


shitsugen
(撮影データ=D70・100〜300mm・RAWからJPGに変換)

冬の釧路湿原は、エゾシカの王国。
みんな、夢中になって、草を食んでいる。
(真ん中辺りにたくさんいるのが分かります?)


ezoshika
(撮影データ=D70・100〜300mm・RAWからJPGに変換)

ヤチハンノキにも、カヤにも、樹霜がびっしり。
冷えた朝の、わずかなひとときだけ、釧路湿原は、黄金色に輝く。




近況愚"写"録

阿寒の森を歩く。
(2007年 2月7日 水曜日)

oakan
(撮影データ=D70・12〜24mm・RAWからJPGに変換)

早起きして、阿寒の森に出かけた。
少し西風があるので、気温は、そんなに下がっていないが、
それでも、手元の温度計は、マイナス15度。
まっさらな雪の上に、最初の足跡をつけながら、
(ま、他には、ほとんど訪れる人がいない場所だけど)
心ゆくまで、森を楽しむ。

最初の写真は、朝日が射しはじめたばかりの雄阿寒岳。
頂上付近に、沈みゆく月が輝いている。
左手に、阿寒富士と雌阿寒岳、右手に、パンケトーが見える。


dakekanba
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

雄阿寒の頂には、いち早く赤い朝が訪れるけど、
ぼくがいる、名も無き低い山に日が当たるのは、
まだ、ちょっとだけ、時間がかかる。


oakan
(撮影データ=D2X・28〜70mm・RAWからJPGに変換)

さらに、高台へと歩いていく。
雄阿寒岳全体が、赤く染まりはじめた。


usagi
(撮影データ=D70・12〜24mm・RAWからJPGに変換)

ダケカンバの森を過ぎ、針葉樹の森を越え、
送電線が走っている「稜線」に出たら、
通り過ぎたばかりだと思われるウサギの足跡を発見。
ここは、釧路市、弟子屈町、標茶町、鶴居村、4市町村の境界なのだ。


dakekanba
(撮影データ=D70・12〜24mm・RAWからJPGに変換)

ところどころで目にする、でっかいダケカンバ。
ファインダーをのぞいているうちに、
去年も撮影したダケカンバだと気付く。
大きな樹に出合うと、大きなパワーをもらえる気がする。

ちなみに、撮った写真を、HPにアップする場合、
今回のように、「近況愚”写”録」にするか、
前回の十勝川のように、「PHOTO」にするかは、
単なる気まぐれ(笑)。
しかしまあ、「PHOTO」だと、
たくさんデータをつくらないといけないので、
面倒くさい、といえば、面倒くさい。




近況愚"写"録

厳寒満月十勝川旅情。
(2007年 2月4日 日曜日)

tokachigawa
(撮影データ=D2X・28〜70mm・JPG)

去年みたいに、満月を、
流氷との組み合わせで撮影したいと思い、
インターネットで情報を調べると、
流氷は、網走沖50キロくらいにあって、
知床半島周辺にはほとんどない。
こっち方面は、ダメだあ。

で、流氷はあきらめて、いつもの場所へ。
豊頃町の十勝川河口である。
まずは、右岸へ。
今年は、雪が少ないので、
重い写真機材を背負って歩かずとも、
ジムニーで、らくらく河口まで行けた。

砂浜に打ちあげられている氷の数も、
例年よりも少ない感じがする。
波の間には、細かい氷がたくさん浮いていて、
砂浜に波が打ち寄せるとき、
しゃりしゃりした音を響かせている。

残念なことに、水平線の辺りだけ、
うっすらと雲がかかっている。
気温がぐっと下がってくる時間帯だから、
これは、もしかしたら、雲、というより、
海から上がるケアラシみたいなものかも。

16時30分ころ、その雲の間から、
オレンジ色の月が顔を出した。
このときの空の色と言ったらもう。
青と、碧と、蒼と、紺と、とにかく、
青系の色を次々に足していって、
最後に、乳白色で薄めてみました、って感じ。
いやっほ、満月、さいこ〜。

で、この日は、太平洋の波の音を聞きながら、
我が愛車・ジムニーの中で、車中泊。
真夏だろうが、真冬だろうが、
ヘッドランプで本を読みながら、
冷たいビールを飲むというのは、不変である(笑)。


翌日、起きたときの車内温度は、マイナス14度。
車の内側に、びっしり霜がついていた。
(冬用寝袋&ゴアカバーでぬくぬく眠れたけど)

朝日も同じく、水平線から少し上の、
薄い雲の間から顔を出した。
太陽の光が当たると、海から、
みるみる水蒸気が立ち上り、霧に包まれる。
オレンジ色の世界の住人になれる一瞬だ。

それにしても、寒かった。
たぶん、気温は、マイナス20度近く。
カメラの背部にある液晶画面は、
かかった息が凍って、ほとんど見えない状態だし、
氷の上に直接置いたもう1台のカメラも、
霜が降りて真っ白だ。

何より、手が冷たい。
特に、右手は、カメラの操作をするために、
薄い手袋1枚だけなので、操作をしない時には、
ダウンジャケットのポケットに入れた、
ハッキンカイロを握りしめているのだけど、
それじゃあ、ぜんぜんダメ。
冷たい、という感覚が、
きりきりとした痛みに変わる。

車内に避難し、ヒーター全開!
いつものことだけど、
右手の感覚はしばらく戻らない。
左岸へ渡ってから、1時間ほど撮影したので、
手は、ますます冷えてしまった。

帰りがてら、白糠の「やはた」で、
しお野菜わんたんめん大盛り、を食べても、
阿寒湖の温泉に長めにつかっても、
やっぱり、右手は、
ちょっとしびれたような感覚。
元にもどるまで、あと2、3日かかるなあ。

撮影した写真は、後日、アップしますね。




近況愚"写"録

阿寒湖氷上散策。
(2007年 1月29日 月曜日)

akanko

jusou
(撮影データ=2枚共通=D70・28〜105mm・RAWからJPGに変換)

午前中、氷結した阿寒湖の上を歩く。
今年は、今のところ、雪があまり多くないので、
スノーシューやスキーを使わなくても、
長靴で、らくらく。

温泉街を背にして北へ向かって歩き、
小島の、やや手前から東へ進路をとると、
真っ正面に、堂々たる雄阿寒岳がそびえ立つ。

その雄阿寒岳の山麓を、
4頭のシカが、一列になって、
チュウルイ島方面へ向かって歩いている。
氷下にまりもが眠る特別保護区も、
冬季は、シカの通り道だ。

ボッケ(泥火山)の桟橋付近では、
湖畔のいたるところから、温泉や泥がわき出し、
湯気をもうもうと上げている。
ここまで来ると、もう温泉街は、まったく見えない。

冬の太陽に照らされ、
雪は大きな結晶のまま光になって森に降り注ぎ、
樹霜がついたエンジュの木は金色に輝く。

やっぱり、冬は、いいなあ。




近況愚"写"録

魅惑の、肉球。
(2007年 1月19日 金曜日)

shimarisu
(撮影データ=D2X・100〜300mmF4・RAWからJPGに変換)

最近、ほとんど毎日、15時くらいになると、
二階の日当たりのいい部屋を占拠している、はなさんが、
ベランダに出てきて、ぼくの部屋のサッシをたたくのね。

最初は、左手(?)で、2回くらい連続して、
トン、トン、とたたいてから、じ〜っとこっちを伺っている。
無視していると、また、同じ間隔で、トン、トン。

ぼくの部屋に入れて欲しいのか、と思って、
サッシを開けるのだけど、おすわり、の姿勢で、
ずっとこっちを見つめたまま、
全然部屋に入ってくるそぶりを見せないのよ。

散歩に行きたいのかなあ、とも思うのだけど、
実は、はなさんは、散歩があまり好きじゃないみたいで、
散歩行くよ!というと、部屋中を逃げ回るのである。
(散歩に出かけてしまえば、野山を縦横無尽に突き進む)
食い物くれ〜!!
遊んで、遊んで!!
でも、ないみたいだし。

仕方ないから、サッシを閉める。
すると、はなさんは、ベランダの、手すりの方に移動して、
こっちに背中を向けて、ちょこん、とおすわりして、
小さいのぞき穴みたいなところから、じ〜っと外を見る。

しばらくすると、また、はなさんが、サッシをたたく。
今度は、手(足)を変え、右手で、トン、トン。
サッシを開けるも、やっぱり、入ろうとしない。

たたいているとき、手のひら(足の裏?)全体が、
サッシ越しに、ぐわっと、押しつけられるので、
黒くて、ぷにゅぷにゅした肉球が、よ〜く見える。
動物の肉球って、人を虜にする何かがありますよね(笑)?


そこで、思いだしたのが、この写真のシーン。
確か、十勝で、激写したはず、と思って、
データを探したら、2005年の9月に撮影してました。
ふふふ、シマリスさんの肉球写真です。

ナキウサギさんを撮影するために出かけて、
そのついでに、といっては、失礼なんだけど、
ぼくのそばまで遊びにきてくれたシマリスさんも、
撮らしていただいたのでした。

目の前の石の上で、座り込んだ、と思ったら、
体を半身にして、右手で、腰のあたりを、ぽりぽり。
左手で体を支えている姿が、何とも言えないですね。
ダニでもついていたのかなあ?

ちなみに、ぼくは、顔的には、絶対に、
ナキウサギさんよりも、シマリスさんの方がかわいい!
と思ってます。

それにしても、何故、はなさんが、毎日15時に、
ぼくの部屋のサッシをたたくのか、謎は残ったままです。


hana
(撮影データ=D70・28〜105mmF3.5〜4.5D・RAWからJPGに変換)




近況愚"写"録

東京で自然写真展をハシゴする。
(2007年 1月17日 水曜日)

shinagawa


shinagawa


shibuya
(撮影データ=共通=D70・28〜105mmF3.5〜4.5D・JPG・上の2点は品川、下は渋谷)

仕事の打ち合わせから新年会まで、
いろいろな用事をこなすべく、2泊3日で、東京へ。
気になる写真展もいくつか開催されていたので、
ついでに、じっくりと鑑賞してきました。

まずは、品川へ。
もともとあまり縁のない場所だったけど、
最近の品川たるや、新幹線は停まるし、
きれいで近未来的(?)な、でっかいビルがたくさん建ち並ぶし、
あまりに変貌してるので、びっくらこきました。


その品川で、最初に見たのは、
風景写真の第一人者・竹内敏信氏が、
デジタルカメラで撮影した作品を展示した、
「デジスケープ 日本列島」

大きく引き伸ばされて展示されている作品は、
解像度も十分だし、不自然さもないし、すごくきれいです。
(デジタルカメラが苦手な被写体もまだまだあるけど)


続いて、同じビルでやっている、望月久氏の写真展、
(盛岡の888氏が、ぜひ行くべし、と、勧めてくれた)
「イーハトーブの風景 八幡平・安比高原の四季」へ。

作品が素晴らしいことはもちろん、
自分の大好きな場所が写っているので、
何というか、すごく、気持ちが良かったっす。


更に翌日は、恵比寿の東京都写真美術館で、
動物写真の前川貴行氏、山岳写真の菊池哲男氏、
一般的(?)な風景写真の林明輝氏、
3氏の作品が展示されている、
「地球の旅人ー新たなネイチャーフォトの挑戦」を鑑賞。

なるほど、なるほど。
(一人で納得している!)
林氏以外のお二人は、デジタルカメラでも、
積極的に撮影しているみたいですねえ。


3つの写真展共通の感想は、
インクジェットプリンター出力が、
印画紙と見分けがつかないくらいに、
ものすごくきれいだった(笑)。

写真ってのは、結局、最終的に、
作品の完成形における質が問われるわけで、
それをフィルムで撮ろうが、デジタルで撮ろうが、
どんなカメラで撮ろうが、関係ないと思うわけです。
ぼくも、道具に使われないようにしないと。

いろいろと勉強になりました。




近況愚"写"録

東京ラーメンの、過去形?
(2007年 1月14日 日曜日)

ganso
(撮影データ=D70・28〜105mmF3.5〜4.5D・JPG)

もう、20年も前のハナシになるけど、
ぼくの、9年間の東京生活のうち、
6年間は、恵比寿に住んでいた。

当時は、駅ビルも、ガーデンプレイスもなく、
街全体が、こざっぱりした住宅地、という感じだったけど、
いまや、恵比寿は「おしゃれな街」に変貌を遂げている。
(まあ、20年も経てば、そりゃあ、街も変わるわな)

さらに、有名なラーメン屋さんもたくさん開業していて、
ラーメン激戦区、なんて言われているようだ。
その、ラーメンの街・恵比寿誕生の立役者は、
間違いなく、恵比寿ラーメンである。

20年前当時の恵比寿ラーメンは、
固定式の屋台、という感じの、カウンターだけの店づくりで、
夕方18時の開店から、麺が売り切れる夜中の1時ころまで、
ほとんど絶えることなく、順番待ちの行列が見られた。
マスコミは、恵比寿ラーメンのことを、
「東京ラーメンの完成形」と評していたっけ。

ぼくは、いつも、行列ができる前の、
開店10分前くらいに出かけていって、
駒沢通りのガードレールに腰掛けて、
「完成された」ラーメンをすすった。
にんにくワンタンめん、がお気に入りだった。
(にんにくが強烈だったので休日前しか食べられなかった)

最近、その、恵比寿ラーメンが、
浅草付近で営業していることを知った。
その名も、「元祖恵比寿ラーメン」。
上京のついでに、早速、行ってきましたよお。

上野駅から、歩いて、30分。
(最寄りの、地下鉄・入谷駅からなら徒歩5分)
事前に場所を確認しておいたから、すんなり店を発見!
(昼時なのに、人があんまりいなかったなあ)

店の中に入ると、20年前の記憶がよみがえる。
まぎれもない、恵比寿ラーメンのスープの香りだ。
なんというか、動物の骨系の、ほんのちょっとした臭みを、
ショウガで中和している、という感じ。
もちろん、決して、イヤな香りではない。

親父も、歳をとったけど、あの親父だ!
あの頃、いつも、ビシッとのりがきいた、
清潔なシャツを着ていたけど、それも健在だった。

ワンタンめん、950円を頼む。
(ランチタイムは、小ライスのサービスあり)

味は……。

多分、昔と、ほとんど変わってないと思われ、
変わったのは、ぼくの味覚なんだと思う。
これが、古き、良き、東京ラーメンの味なんだろうなあ。

変わったもの。
変わらないもの。
人生いろいろ、会社もいろいろ(by 前首相)。

でも、まあ、すごく懐かしかった!




近況愚"写"録

ツルは千年、カメラ万円。
(2007年 1月6日 土曜日)

tantyou
(撮影データ=D2X・100〜300mmF4・RAWからJPGに変換・2006年1月撮影)

とりあえず、2007年にもなったことですし、
せめて、表紙だけでも更新することにしました。

なるべく、新年らしい写真、と考えると、やはり、
干支とか、日の出とか、あとは、各種縁起物、かな、と。

こんなことで、あんまり悩みたくないので、
毎年恒例の、タンチョウでお茶を濁すことにします。
とはいえ、今年はまだ、北海道へ上陸していないので、
去年の1月に撮った写真からセレクトしてみました。

10年以上も使っているトキナーのこのレンズ、
最近、調子が悪いんですよねえ。
(D2Xで撮影して等倍で見ると、画質的にもちょっと不満)

今年は、しっかり働いて、お金をためて、
新しい望遠レンズを買いたいなあ。
それにしても、写真って、お金がかかるなあ。


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